2016年10月17日 (月)

リーディングスキルテスト

 9日ほど前になるが、朝日新聞の教育欄のページに「国立情報学研究所・教育企業 新研究所設立へ」と書かれた記事があった。ちょっと眺めてみると「AI・人工知能」「ロボットは東大に入れるか プロジェクト」など、少し気になる単語が混じってたこともあって、ブログネタにちょうどいいかと思って少し調べてみることにした。

 とりあえず、国立情報学研究所(NII)のサイトと見てみたら、2016年7月26日掲載と3ヶ月近く前のニュースになるが「文章を正確に読む力を科学的に測るテストを開発/産学連携で「読解力」向上を目指す研究を加速」という記事の中に「欠けた部分を補う教育方法を考案して子どもたちの読解力を高め、日本の教育の質的向上に取り組むため、教育に関わる企業・団体などと共同で産学連携の「教育のための科学研究所」準備協議会をこのほど設置しました」と書かれていた。

 研究所設立のきっかけとなったのは、「ロボットは東大に入れるか プロジェクト」の一環として開発された、「リーディングスキルテスト」という基本的な文章の読解力を科学的に診断するシステムを使って中学生・高校生の読解力を調べた結果、思いのほか結果が悪かった、ということだったらしい

 この、リーディングスキルテスト、NIIのサイトの説明では、「出題文は主として検定済みの中学、高校の教科書から」とされていて、中学生・高校生向けに書かれた文章の理解度を測るもののようだ。

 具体的な問題例もある。例えば

文章:
「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。」
問:
オセアニアに広がっているのは(   )である。
A. ヒンドゥー教
B. キリスト教
C. イスラム教
D. 仏教

というような形で出題され、(   )内に入るものをAからDまでの4択で選ぶ。この場合「B」が正解。

 「こんなの読めばわかるじゃないか」とか「当たり前じゃないか」と思った方々は、一度NIIのサイトでこの問題例と結果を見てみることをお勧めしたい。結果を見てみると実際には思ったほど正答率がよくない。(2割から3割近い人が「D」と答えていたりする。)

 他にも、「教科書の文章」を出題しているため、化学や数学の文章も同様の形式で出題されている。化学や数学の文章だと、大人でも間違える人が結構いるのではないかという気もする。

 読解力のテストというと、PISAの調査とか、全国学力テストなどはブログでも何度か紹介したことがあるが、リーディングスキルテストは、これらとは違った趣のテストのようだ。

 ということで、今回は新聞記事を見て気になったリーディングスキルテストについて簡単に調べてみた。正直なところ、全国学力テストなどは去年までは毎年ブログでネタにしていたが、最近あまり代わり映えしない感じがしたので今年は取り上げていなかった。一方で、このリーディングスキルテストや新たに設立された研究所はなんとなく気になったので、今後何か成果が出たら、またブログに取り上げてみたい気がする。

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2015年11月17日 (火)

アメリカにも大学入試に取り組む人工知能(AI)

 一昨年、昨年と「「東ロボくん」模試に挑戦(2013年12月6日)」「質問応答システム(2014年11月7日)」で東大受験を目指す「東ロボくん」についてブログにとりあげてみた。

 今年は、先週後半のフランスで痛ましい事件の陰に隠れてしまったが、小さい見出しで「「東ロボくん」偏差値上昇57.8 東大目指す人工知能」という記事が11月14日に載っていた。

 それによると、今年の東ロボくんは、大学センター試験模試で昨年から偏差値を10以上も上げ、模試を受験して3年目で初めて全国平均を上まわったそうだ。

 なんでも、「苦手だった数学の数列や統計の問題を解く仕組みを新たに開発」で、数学も好成績を収めたそうだが、物理などは苦手なようだ。

 また、今年から東大2次試験を想定した「東大入試実戦模試」も受験したそうだが、論述問題では「知識を詰め込んだだけの受験生が書く答案」と厳しい評価をされたらしい。まあコンピュータだし、それも仕方ないとは思うが、合格を目指すなら、さらなる改良が必要かもしれない。

 ところで、こう言った大学入試をコンピュータに解かせる、といったプロジェクトは日本だけだと思っていたが、調べてみたらアメリカでも似たようなことをやっている人たちがいるらしい。

 例えば、ワシントンポスト紙のサイトには「Software Is Smart Enough for SAT, but Still Far From Intelligent」という記事が9月22日に掲載されていた。

 直訳すると「ソフトウェアはSATができるくらい賢いが、まだインテリジェンス(聡明さ)からは程遠い」といった感じになるだろうか。

 「SAT」というのは、アメリカで行われている「大学進学適性試験」のこと。日本のセンター試験と違って何回も受けることができるが、アメリカの大学進学のために必要な試験の一つである。

 その「SAT」の問題をコンピュータに解かせた、という話が書かれている。名前は「GeoS」。こちらの方は、大学入試に特化させたものではなく、中学・高校レベルの幾何の問題を解かせるためのプログラムのようだ。

 このプログラムを紹介したサイトには「問題解答のデモ」があって、中学数学の図形の問題で5択の解答から正解を一つ選ぶ形式だが、問題文をコンピュータが解析して、正解を見つけ出す様子を見ることができる。

 正直なところ、これを見たからといってどんな風に解いてるのかさっぱりわからないが、人間を頼らずにコンピュータ自身によって解答を導いている、ということはわかるようにはなっている。

 ということで、日本の「東ロボくん」とアメリカの「GeoS」が大学入試のための問題を解いた、という話題を紹介してみた。

 まあ、アメリカの方は日本で言えば中学レベルの図形の問題だし、今度試しに日本の「東ロボくん」にアメリカの「SAT」の問題を解かせてみるのも面白いかもしれない。「東ロボくん」まだ英語はあまり得意ではないようだが、英語が得意になったら是非挑戦してみてほしい。

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2015年10月 3日 (土)

OECD「PISA・デジタル能力調査」の報道

 PISAというと、ブログでは2年近く前(2013年12月10日)に「PISA2012の結果」でとりあげたことがあるが、OECDが世界65カ国・地域で実施している「数学的リテラシー」「読解力」「科学的リテラシー」に関する「学習到達度調査」である。

 先月の9月15日、これらの調査と合わせて行われた「デジタル能力調査」に関する分析結果がOECD発表されたそうだ。

 今回はこの話をネタにしたい。ただ、あえて個人的な意見は書かず、OECDから発表された結果の概要と、日本での報道のうち、「これはちょっと、、、」と思うものをいくつか紹介しようと思う。

 まずは、OECDの日本語サイトにある分析結果の概要が書かれたページを見てみたい。

 このページのタイトルは

学校で技術利用の潜在性を引き出すためにも新しいアプローチが必要

となっていた。それなりに長い文章なのだが、概要を大雑把に理解するために、3カ所ほど抜粋して引用しよう。

・「既に教育におけるICTに大きな投資をした国でさえ、PISAの読解力、数的リテラシー、科学的リテラシーの成績に目立った向上は見られませんでした。」

・「学校で多少コンピューターを使用している生徒のほうが、ほとんど使わない生徒に比べて成績もいくらか良い傾向が見られました。しかし、学校でコンピューターを使うことが非常に頻繁である生徒に関しては、逆に成績が比較的悪いという結果も見られました。」

・「デジタル能力の学力差は、従来のペーパー版PISA読解力テストの成績の差と非常に似通ったものでした。つまり、デジタル能力の格差を縮小するためには、各国は教育そのものの格差改善に真っ先に取り組むことが必要であるということです。」

 タイトルの文章も合わせて、これらをまとめると「ICT・デジタル機器を単純に利用するだけでは成績向上には繋がらず、(アナログ・ペーパー版の)現状の教育そのものの格差改善や、ICT・デジタル技術の潜在性を引き出す新しいアプローチが必要」という点がOECDが発表した分析結果の概要になるだろうか。

 そのことを踏まえた上で、次にAFP通信(AFPBB)のサイトにあった記事「学校でのコンピューター使用、成績向上に効果なし OECD調査」を見てみたい。

 まず、記事のタイトルを見て気がつくが、AFP通信では、OECDの発表のうち、「成績に目立った向上は見られませんでした」の部分がクローズアップされている。

 また、AFP通信の記事には

「授業でのコンピューター使用をみると、生徒たちの成績への影響は良し悪しが混在しているといったところで、しかも学校でかなり頻繁にコンピューターを使う生徒の学習結果は、社会的背景や人口動態的要素を考慮した後でも、ほとんどの場合、かなり悪いものだった」

と書かれている一方、OECDの発表のうち「学校で多少コンピューターを使用している生徒のほうが、ほとんど使わない生徒に比べて成績もいくらか良い傾向が見られました」という部分についての記述は全くない。

 今度は、朝日新聞のサイトにあった「学校のPC増えると生徒の成績下落 OECD調査」と読売新聞のサイトにあった「学校でPC増やした国、成績下落…OECD調査」の記事も見てみたい。

 まずタイトルについて、少なくともOECDが発表した分析結果概要のページには、成績が下落したとは書かれていない。

 その上で、読んでみると「「数学的リテラシー」の成績が、03年からどう変化したかを国別に調べ、生徒1人あたりのパソコンの台数との関係をみた」という記述があったので、それがどこにあるか探してみた。

 すると、概要ではなく、全部で200ページにも及ぶ実際の報告書「Students, Computers and Learning」の後ろの方にある巻末資料の1つで、151ページ目に「Trends in mathematics performance and number of computers in schools」というグラフがあった。朝日新聞や読売新聞の内容の元は多分これだと思う。

 それにしても、朝日・読売ともに、200ページにも及ぶ報告書の中の、記事のタイトルと辻褄が合いそうな、たった1ページの(本文ではなく)巻末資料をよく見つけたものだ。

 かなり長くなってしまったが、最初に書いたように、あえて個人的な意見は書かずに、今回はここまでにしたい。

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2015年9月 8日 (火)

平成27年学力テスト結果公表

 先月後半、今年の全国学力テスト(平成27年度全国学力・学習状況調査)の結果が公表された。毎年ブログでも取り上げているので、今年も小学算数・中学数学の結果を見てみることにした。

 まず、全体の平均正答率は次の通りになっていた。

小学算数 A: 75.3% (昨年: 78.2%)
小学算数 B: 45.2% (昨年: 58.4%)
中学数学 A: 65.0% (昨年: 67.9%)
中学数学 B: 42.4% (昨年: 60.5%)

 昨年よりも正答率が下がっているが、特にBの方の低下率が目立っている。Bは、主に「活用」に関する問題が出題されることになっていて、オーソドックスな数学センスを問うような証明・説明を求める問題もあるが、中にはちょっとした盲点をつくような問題もあったりする。

 例えば、小学算数Bの設問2(2)の

「20%増量して480mLで売られていたの増量前の量は何mL?」

では、

(正答:13.4%)480÷1.2=400mL○
(誤答:27.6%)480×0.8=384ml×

と、ちょっとした勘違いで正答率が非常に低くなってしまったようだ。

実際、小学算数Bは全部で13問だから、仮に全員が1問多く間違えると正答率が1/13=約7.7%低下するので、正答率は設問の内容に大きく作用される、といった点にも注意する必要があるかもしれない。

 あと、都道府県別の「上位の3都道府県」と「下位の3都道府県」の平均の差の分析もしていた。大きなお世話、ということもあるかもしれないが、報告では「下位の成績が全国平均に近づく状況が見られ、学力の底上げが図られている」と書かれていた。

 確かに、下位の方は頑張っていると思う。ただ、個人的には「何故上位の方の分析をしないのか」ということが気になる。

 実際、下位の3都道府県とされているところは確実に上がっているが、上位の3都道府県とされたところは横ばいか下がっているグラフばかり。上位の方にも課題があるはずなのだから、下位の話題をするのなら、上位の方の課題や問題点についてもきちんと触れるべきではないか、と思うのは私だけだろうか。

 ということで、毎年ブログに書いている、今回は全国学力テスト(平成27年度全国学力・学習状況調査)の結果を今年も取り上げてみた。

 ただ、今年は個々の問題にはあまり触れなかった。というのも、今年は「せんざいの量」の問題以外は、昨年までに指摘されていた課題が「依然として残っている」か「改善の状況が見られた」かのどちらかの報告ばかりだったので、あえてブログに書くことはないか、と感じてしまったからだ。

 これまで毎年ブログで全国学力テストについて書いてきたが、何となく来年は取り上げなくてもいいかな、という気になってきた。

 来年は、もう少し面白そうな話題を見つけることにしよう。

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2015年5月 6日 (水)

平成27年全国学力テスト

 もう10日以上前になってしまったが、今年の全国学力テスト(平成27年度全国学力・学習状況調査)が行われた。毎年ブログでも取り上げているので、今年も算数・数学の問題を見てみることにした。

 今年の問題は、オーソドックスというか、普通のテスト、というおもむきで、基本的な学力や知識とその応用力を普通に問う形のものが多かったような気がする。

 また、子ども達の学力の状況を見る、という意味の問題がメインであるには違いないが、今年の場合は、例えば平行四辺形の性質を問う問題がやたらと多かった。中学数学の証明問題の他、小学算数でも平行四辺形の性質を使って説明させる問題が出題されていた。

 他にもいろんな知識を問う問題が考えられると思うが、小学・中学両方に答えさせて、全体的な理解度を把握するために「今年は平行四辺形に集中して問題を作る」という感じになったのかもしれない。

 また、中学数学では数学Aと数学Bの両方に「連続する3つの整数の和は、中央の整数の3倍になる」ということを文字を使って説明させる問題があった。両方にほぼ同様の問題がしつこく出題されるということは、今回はこういう「文字を使った説明」に関する中学生の習熟度を見極めたい、という意図も感じられる気がする。

 他には、例えば中学数学Aには「 y が x の関数でないものはどれ?」という選択問題があったが、この問題は「関数」の意味がわかってないと答えがわからない。ただ、4択の問題なので、勘で答えた人が多かったのではないか、という気もする。

 実際、選択肢の中では「 x 歳の人の身長は y cm である」が正解で、この y は x の関数でないのだが、中学生の中で何故これが関数でないか数学的にきちんと説明できる人はいるだろうか?(ちなみに、「y が x の式で書けないから」という説明では数学的な説明とは言えないだろう。)

 小学算数も、算数の知識を使って説明を求められる問題が多い。特に、算数Bの四捨五入・切捨て・切上げを使ったおおよその計算の問題は「実際の数字を足し算せず、大まかな数字の足し算を使って物事を考える」という話で、当然小学算数の範囲の話だが、小学生には難しめかもしれない。

 実際、小学生に限った事ではないが、普通足し算というと「等式」(計算した結果が答えや現実と同じかどうか)で行う場合が多いから、この問題のように四捨五入・切捨て・切上げをした(元の数字と等しくない)数字を足し算して「不等式」(計算した結果が答えや現実より大きいか小さいか)の考え方を使う、というのは、それなりに算数や数学のセンスが必要だと思う。

 ということで、今回は今年の学力テストの問題について書いてみた。数年前と比べて、去年や今年はオーソドックスに算数・数学の知識やセンスが問われる問題が多い印象を受ける。

 要は、まずは「きちんと勉強しているか」続いて「勉強した知識が身に付いているか」そして「身につけた知識を数学の中で応用することができるか」ということがしっかり出来る小学生・中学生は高得点が取れる、という感じである。

 また8月くらいに学力テストの集計結果などが公表されると思うので、またそのときにブログに取り上げようかと思う。

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2015年2月20日 (金)

MindUPで数学の成績アップ!?

 今回は、久しぶりに英文誌TIMEからネタを探そうと思って、最近数ヶ月ほどのTIMEの最初の方にある「Briefing」のページを見ていた。

 ちなみに、これまでのブログにも、このページからネタを見つけて

チーターロボット(2014/9/23)
TIMEに載っていた小さな記事(2014/2/20)
疲れが溜まってきた(2013/6/29)

の文章を書いている。

 その「Briefing」にひとつ気になる数字、というか記事があった。具体的には、TIME(ASIA)の2015年2月9日号で、その部分を引用すると、

15%
Improvement in fourth- and fifth-graders' math score after they participated in a meditation-mindfulness program vs. those who didn't, according to a study.

と書かれていた。訳すと、

ある研究によると、「a meditation-mindfulness program」に参加した小学4年生と5年生の数学の成績が、参加しなかった人と比べて15%良くなった

という感じになるだろうか。数学の成績が良くなった、という「a meditation-mindfulness program」とは一体なんだろうか。気になったので、少し調べてみることにした。

 まず、TIMEのwebサイトに「Mindfulness Exercises Improve Kids' Math Scores」という記事があった。

 そこを見ると、「研究者は、MindUPと呼ばれる社会学習・感情学習のためのプログラムの効果をテストしたかった」と書かれている。どうやら、この「MindUP」というのが、「a meditation-mindfulness program」のことのようだ。

 「mindfulness」という単語は、直訳すると「注意深さ」とか「心の集中」といった意味だが、もう少し狭い意味では、仏教用語の「念」の英語訳としても使われているようだ。

 別に、学校で念仏を唱えていた訳ではなさそうだが、もう少し調べてみると、記事に紹介されている研究者のいる大学のサイトにMindUPの案内があって、そこには小学生たちが座って瞑想らしきことをしている写真も載っていた。

 要するに、このプログラムは、別に勉強に関連するものではなく、子供たちの心を落ち着かせて、社会性や感情コントロールなどを身につけさせよう、という目的のものらしい。

 で、この記事では、4ヶ月間プログラムを受講した子供たちは、受けてない子供たちに比べて、社会性や感情コントロールの能力が実際に向上することが確かめられた、と結論付けられていて、数学の成績も上昇したことは、付け足しのように書かれただけであった。

 この調査をした研究者が確かめたかったのは「社会性や感情コントロールの能力を身につけさせる効果」だけかもしれないのだが、何故か記事は数学の成績上昇のことをメインに伝えているのが面白い。

 ということで、今回はTIMEに載っていた、気になる記事について調べてみた。実際には、数学とはあまり関係がない記事だったが、「注意深く心を集中させて、感情をコントロールしながら数学に取り組めば成績が上がるかもしれない」ということ自体は、正しそうな気がする。

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2015年2月15日 (日)

人工知能でカンニング発見

 いろいろ仕事が忙しかったりすると、ブログのネタを探しても、うっかりして書きそびれてしまう事がある。前回紹介した惑星に関するニュースでも、正直なところ1月後半に見かけたものだったが、うっかり書きそびれないようにまとめてニュースを紹介した。

 実は他にもあったのだが、今日のブログのネタを探していたときに、うっかり書きそびれてた事をひとつ思い出した。1月16日の新聞に「人工知能でカンニングを発見 京大などがプログラム開発」という記事が載っていた。

 記事によると「これまで教員の経験に頼っていた手法を取り込み、高い精度で自動的に見つけ出せるという」と書かれていた。何だか凄そうな感じで、これを見たときにも何だか気になったのだが、忙しくて調べる時間がなかったこともあって、うっかり忘れてしまっていた。

 今日、せっかく思い出したので、この話題を紹介したい。京都大学のサイトを見ると、この話題が「機械学習によるカンニングの検出技術の開発」というページで紹介されていた。

 このページを読むと「この研究は情報学科の演習授業を発展させたものです」と書かれていた。大学の演習授業で先生が「カンニング検出のアイデアが今僕の頭の中にある。その実現を最終課題にする。」と言ったところ、その課題にさまざまな工夫を凝らして試してくれた学生がいたらしい。この先生と学生が中心となって得られた研究成果のようだ。

 で、内容は「機械学習」と呼ばれる、大量のデータからそのデータ間に存在する関係性を自動的に捉える技術を用いるそうだ。具体的には

「まずはカンニングをしている度合いが小さい順に「この被験者はカンニングをしていない」と確信して、その後の観察ではカンニングを疑わず、残りの被験者については、先入観を持たずに同様の観察を続けます」

と書かれていた。

 先生から見ると「カンニングをしている人を特定する」という点に注目しがちだが、そうではなく、学生の視点から「カンニングをしていない人を特定する」という方向からアプローチしたのが良かったようだ。

 ちなみに、「機械学習」というのは、wikipediaによると「人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のこと」と書かれている。何だか、今イチ、ピンとこない説明だが、もう少し見てみると、「データマインニングとの関係」のところで

「機械学習の目的は、訓練データから学んだ「既知」の特徴に基づく予測である」

という文章を見つけた。もう今から4年も前になるが、ブログを始めたばかりのころ「学習って何?」という文章をブログに書いた事がある。

 そのときに『「勉強や研究」「経験」「教わる」ということで知識や技能を得ていくこと』ということが「学習」の意味としてふさわしい、という話をしていた。

 まあ、「勉強や研究」はともかく、人間にとっての「経験」「教わる」がコンピュータでは「訓練データ」「学んだ既知の特徴」に変わるが、それに基づいて何か予測し知識や技能を得ていく、というのが「機械学習」ということになるだろうか。

 ということで、今回は「人工知能でカンニングを発見」というニュースを紹介した。実のところ「カンニングを発見」と言われると、何となくコンピュータに試験中ずっと観察されているというのを予想したが、ちょっと違うようだ。

 コンピュータを使って「カンニングをしていない人」を特定して、そうじゃない人だけを観察するようだから、別に悪い事を何もしていない人は気にせず自分自身の試験に集中すればいい。そういう気分になれる技術、というのが何となくいい感じだ。

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2015年1月26日 (月)

今年のセンター試験の数学II・B

 今年の大学入試センター試験が終わって、1週間とちょっと。今年は、特に数学II・Bが難しかった、などという話がチラホラ聞こえてきたりする。

 実際、公表された平均点を見ても、数学II・Bは41.95点(100点満点)と、数学I・Aの62.67点などと比較してかなり低い結果になったようだ。

 実際に、数学II・Bの問題はどうだったのだろうか。少し調べてみることにした。

 まず、第一問(1)は三角関数。うーん、、、最初の「ア」「イ」は、正直なところ「計算などをしなくても気づけば出来る」という問題ではあると思う。ただ、「試験開始」と言われて「よし、数学の試験だ。計算ミスをしないように頑張ろう」と思ったところで最初にパッとこの問題を見たら、面食らってしまう可能性がある気もする。

 「ウ」「エ」「オ」も、2乗の計算は標準的で、その次も加法定理の公式をそのまま使うだけ、と言えば簡単そうに聞こえるかもしれないが、センター試験の緊張感の中、複雑な公式を駆使した問題を数多くこなしてきた受験生が「公式をそのまま使うだけ」と冷静に判断できるかどうか、何とも言えない気がする。

 最初の問題を見た個人的な感想としては、野球に例えると「バッターが打ち気になって直球勝負で待ち構えているところに変化球を多く投げられ、かわされた」という感じた人が多かったかもしれない。

 実際、第一問(2)以降も、真ん中からは外れた変化球的な問題が多い感じで、また野球に例えてしまうが「ボール球に手を出して(難しい問題に手こずり)」あるいは「手が出ず見逃して(公式をそのまま使えばいいところを気づかず)」という感じで終わってしまった受験生が結構いた可能性もある。

 問題自体は、よく考えられているとは思う。最初の三角関数の問題では

点O(0,0)
点P(2cosθ, 2sinθ)
点Q(2cosθ+cos7θ, 2sinθ+sin7θ)

の3つの点を考えている。数学がわからないと何のことだか意味不明かもしれないが、例えば

点O=太陽、点P=地球、点Q=月

と思って、地球が太陽の周りを、月が地球の周りをそれぞれ公転している図をイメージすると考えやすいかもしれない。

実際、この問題は、最後に「点O、点P、点Qが一直線上になる」場合を考えるが、これは「公転している太陽、地球、月が一直線上に並ぶとき」などのイメージだろうか。

 ただ、受験生はこういったことを考える余裕は試験時間内にはなかった可能性が高いと思う。そういう意味で言えば、受験生のことはあまり考えずに作られた問題、という気がしなくもない。

 ということで、今回は今年のセンター試験の数学II・Bの問題について調べてみた。試験の結果が悪かった人も、まだ大学入試自体はこれからだ。これから頑張って挽回してほしい。

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2014年9月18日 (木)

算数教育と言語

 先週、「英語は算数に不向き」という日経新聞のサイトにある記事を見つけた。

 何でも、例えば「1から10まで」の単語の他、英語では「11」を「eleven」という別の単語を使っていたり、「17」の英語「seventeen」は(先にsevenを発音するため)子どもたちが「71」と取り違えやすい、ということなど、英語特有の言い回しが算数に不向きだ、という話のようだ。

 何だか気になる話だったので、少し調べてみることにした。元ネタは、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルの「The Best Language for Math」という記事のようだ。

 そこを読むと、特に、日本語、中国語、韓国語、トルコ語などのアジアの言語と比べて、英語は数を表す単語(数詞)や言い回しが子どもにとって複雑すぎる、といった話などを含め、確かに日経新聞のサイトにあった内容が書かれていた。

 また、元ネタのウォール・ストリート・ジャーナルの記事には、もう少し具体的に「それによって、何が問題になるのか」という点についても書かれていた。

When doing multi-digit addition and subtraction, children working with English number names have a harder time understanding that two-digit numbers are made up of tens and ones, ...

 訳すと『2桁以上の足し算や引き算をするとき、英語の数詞を使う子どもたちは(特に11から20までは1つの単語で表されるため)「2桁の数は10の位と1の位から出来ている」ということを理解するのに時間がかかる』という感じだろうか。

 例えば、「11+2」を計算するとき、日本語で「じゅういち たす に」ときたら、「いち」と「に」を足して「さん」で、(位上がりがないため)「じゅう」はそのままだから「じゅうさん(13)」と、言葉で説明するだけで理屈も素直に理解できそうだ。

 実際、子どもたちは最初に「数詞を順番通りに言って覚える」ことを行って、その後に足し算や引き算を教わることになるので、「先生から言葉で説明される → 子どもたちが覚えた数詞を使って理解する」ということが日本語では自然に出来そうな気がする。

 一方、英語で「eleven plus two」と言われたらどうだろう。英語で言われたら、「eleven」が2桁の数字(11)かどうかとか、(2桁の数字だとわかったとしても)1の位が「1(one)」かどうかなんて覚えていないとわからないし、しかも、答えの「13」も別な単語の「thirteen」だ。

 言葉と理屈がリンクしていないから、子どもたちが数詞を順番通りに言って覚えたとしても、「2桁の数」とか「10の位と1の位」といった概念を別に覚えなければ、2桁の足し算を理解するのは難しそうだ。

 ただ、この現状をほったらかしている訳でもないようで、元ネタのウォール・ストリート・ジャーナルの記事の最後の方には「The make-a-ten method」という言葉が現れる。

 「10ずつ(の束)をひとまとめにして考える方法」ということを表す言葉のようだが、日本語のように数詞を覚える段階で自然に身に付けることができないため、こうした概念を別に教えるために使われる言葉のようだ。

 数えるときは別々の単語で覚え、計算をするときには「The make-a-ten method(10ずつひとまとめ)」を使え、という感じで、英語では「数の単語(数詞)」と「数の概念」を別々に教えることになるのだろう。

 ということで、今回は、英語と算数の関係に関する新聞記事を紹介した。実際にアメリカなどと比べて日本など東アジアの国々の方が子どもたちの算数の能力が平均して高い、ということも事実のようだし、確かに、ここに書かれていることは正しいと思う。

 しかし、「数の単語」と「数の概念」を別々に理解することも重要で、そういう教育が日本の算数教育に欠けている、という見方も出来るような気もする。

 そんなことを考えながら、今回はここまでにしよう。もう少し時間があるときに、またこの話についていろいろ考えてみるのも悪くなさそうだ。

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2014年9月 3日 (水)

平成26年学力テスト結果公表

 平成26年全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が先週の8月25日に公表された。

 新聞各紙は、各都道府県の平均点がどうだったか、という話を大きく伝えているが、ここではそんなことよりも、4月26日に「平成26年全国学力テスト」で書いて気になっていた、算数Bの最初の問題の結果を見てみたい。

 今年の学力テストの結果の報告書は国立教育政策研究所のサイトに公表されているが、その中の「【小学校】算数」に具体的な分析が書かれている。

 ちなみに、今年の算数Bの最初の問題は、4月にブログにも書いたが、かけ算の計算練習をしている中で「比例」の法則に気がつく、という話になっている。

 そのうち、(1)については、とりあえずかけ算の計算をしてみて同じ数字が並ぶかどうか確認するだけ、ということもあり、正答率は94.6%と、計算ミス等をしない限りはほとんどの人が正解していたようだ。

 問題は、もう一つの(2)の方だが、37×24の積が888になることを、単純に計算するのではなく、

・「24は3×8」「37×24は37×3の8倍」「37×3=111」「37×24は111の8倍だから、求める積は888になる」

・「24は6×4」「37×24は37×6の4倍」「37×6=222」「37×24は222の4倍だから、求める積は888になる」

のように段階を踏んで答えなければならない。ただ、ノーヒントではなく、問題文に「37×6の積が222」になることが同じような段階を踏んで説明されていて、それを真似て説明すれば正解が得られるようにはなっている。

 この問題の正答率は55.5%。問題文の説明の真似をすればいい、ということを考慮したとして、この正答率は高いのか低いのか、微妙なところかもしれない。

 また、不正解とされたものを大雑把に分類すると

・説明不足 ... 21.5%
・問題に指示された通りの工夫ではない ... 9.4%
・その他 ... 13.6%

 となっているようだ。また、問題に指示された通り工夫ではないものやその他の解答の中にも、例えば「37×□の積に同じ数字が続くときは,□の中が3の倍数のときだけ」ということは認識できているものもあったらしい。

 説明不足の分も、不正解とはいえ問題の内容は理解できていたと考えることができるため、とりあえず、合わせて約8割の小学6年生は問題の趣旨を理解して解答していたことになると思う。

 まあ、そう考えると、思ったよりも悪くない結果が出たように感じられるが、どうだろう。

 今回は4月にブログで気になっていた問題の結果を見てみた。学力テストは、当然他にもたくさん出題されているので一概には言えないが、問題の趣旨・意図をどれだけ正確に理解できているか、というところに焦点をあてて分析をしてみると、今の子供や先生たちの現状が何となくわかってくるような気がする。

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