2019年1月 1日 (火)

51個目のメルセンヌ素数発見のニュース

 新年あけましておめでとうございます。今年最初の更新は、昨年の1月14日の話から約1年ぶりに更新された素数発見のニュースの話題。

 素数発見のための計算を続けている「GIMPSプロジェクト」に、「GIMPS Discovers Largest Known Prime Number: 282,589,933-1」という記事が掲載されていた。

 発見されたのは2018年12月7日だったそうだ。今回発見された素数「282,589,933-1」は24,862,048桁の数で、51個目のメルセンヌ素数となる。

 昨年は日本でもそれなりに話題になって、最大素数を掲載した本まで出版されたのだが、今回の発見は日本ではあまり話題になっていない気がするのは気のせいだろうか。

 ということで、今回は1年ぶりの素数の話題をなった。最後に、今日は元日で初日の出を拝むことができたので、その写真を載せて終わりにしよう。

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2018年1月14日 (日)

2年ぶりに素数発見のニュース

 年が明けてから2回目の更新の今回は、年明け早々にあった数学のニュースから。英語の科学ニュースサイトPhys.orgに「GIMPS project discovers largest known prime number」というニュースが1月4日付で掲載された。

 直訳すると、「GIMPS プロジェクトは(これまで)知られている中で最大の素数を発見」となるだろうか。

 ブログで約2年前の2016年1月26日「3年ぶりに素数発見のニュース」で話をしたとき以来、約2年ぶりに新たに発見された素数の話だ。

 発見された日は「2017年12月26日」とされている。発見された素数は「2の77,232,917乗-1」で、23,249,425桁に及ぶ数値になる。また、今回の発見は素数は、50個目のメルセンヌ素数、ということになるそうだ。

 ということで、今回は簡単だが、最大の素数発見のニュースを紹介した。前回が「3年ぶり発見」、今回が「2年ぶり発見」となったが、次回は何年後になるだろうか。まあ、先のことはよくわからないが、あせらず気長に待つことにしよう。

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2017年12月17日 (日)

ABC予想の論文掲載決定

 あれこれ忙しかったが、昨日の朝日新聞の1面に「数学の超難問・ABC予想を「証明」 望月京大教授」の記事が大きくと載ったので、1週間ぶりに更新しようと思う。

 このブログでは、2012年9月14日「ハイレベルな日本の数学者」で望月教授の紹介した後、4年経った2016年9月22日に「ABC予想の証明検証が進展する!?」でABC予想の証明検証の進展具合と望月教授について改めてとりあげた。

 この「進展する!?」と書いてから、1年3ヶ月ほど経って、とうとう証明の検証が終わり昨日のビッグニュースになった。

 また、このブログでも、このABC予想に関するページに非常に多くのアクセスがあったことを毎月のブログ報告でずっと書いていたが、実は先月はなんとなくアクセスが減っていた。これは、このビッグニュースの前触れ(嵐の前の静けさ?)だったのかもしれない。

 今月の最後には、今年1年間のブログ報告で1年分のアクセスランキングを載せるが、このニュースでABC予想の話題は残り2週間ほどでさらにアクセスが伸びるかもしれない。

 ということで、今回は昨日のABC予想に関するビッグニュースを簡単に紹介した。まあ、今回はあんまり細かいことは書かずあっさりした文章にしてみたが、数学の歴史的な出来事の瞬間に立ち会えた気分がしてくればそれでいいだろうと思う。

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2017年11月 6日 (月)

親和数

 最近、NHKで数学者を題材にしたドラマがあるらしいのだが、その中で先日「親和数」が出てきたそうだ。「親和数」は「友愛数」ともよばれ「異なる 2 つの自然数の組で、自分自身を除いた約数の和が、互いに他方と等しくなるような数」で、例えば、

220の約数 1, 2, 4, 5, 10, 11, 20, 22, 44, 55, 110 の和が 284
284の約数 1, 2, 4, 71, 142 の和が 220

ということで、(220,284) のペアは「親和数」となる。この2つの数字のペアは古代のピタゴラスの時代から知られていたそうで、この「220」と「284」は友愛・親和を表す神聖な数値として聖書にも登場するようだ。

 聖書の内容は、例えば日本聖書協会のサイトにある聖書本文検索のページで見ることができるので、調べてみると、

エズラ記/ 08章 20節:
「また、レビ人に奉仕するようにダビデと高官たちが定めた神殿の使用人の中からも、二百二十人の使用人を連れて来た。皆一人一人その名が記録されている。」

ネヘミヤ記/ 11章 18節:
「聖なる町にいるレビ人の合計は二百八十四人であった。」

などと書かれていて、お互いに友好的な関係にあったことを象徴している感じがする。

 そんな古代から知られていた「親和数」だが、2番目に小さいペア (1184, 1210) が見つかるのは、ピタゴラスの時代から2000年以上も後の1866年になってから。そんなこともあってか、(220, 284) のペアは、偶然にも不思議と引き合う2つのものを象徴する数として長い間親しまれてきたのだと思う。

 数学的な興味に話を移すと、発見の順番では、実は2番目に小さなペアよりも先に、(17296, 18416) と (9363584, 9437056) という少々大きめな数のペアが中世のアラブ人の手で見つけられていたらしい。

 実際には、親和数に関する法則が西暦850年頃にサービト・イブン・クッラという人により導かれていたそうだ。でも、この時代に法則を使っても、見つかったのがたったの2つだけだったことを考えると、やっぱり親和数のペアは特別なものだと思える気がする。

 一方、最近はコンピュータを使って非常に多くの親和数が知られるようになった。実際には、現時点で12億個以上のペアが発見されているそうで、ペアと発見された年がリストアップされているサイトもあったりする。

その中で最大のものは、今年の2017年6月28日にリストに加えられた、10進数で表すと56,250桁にも及ぶ巨大な数のペアだそうだ。

 ということで、今回は親和数について調べてみた。なんだか、親和数の神聖な雰囲気を感じた後にこれだけ膨大な数値を眺めると、なんとなくコンピュータの凄さというか怖さを感じなくもないが、数学的には親和数が無限に存在するかどうかはわかっていないため、今後も親和数もコンピュータによって刻一刻と発見されていくことになるのだろう。

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2017年9月17日 (日)

記号「0」の最古の使用例

 昨日、久しぶりに数学に関するニュースがあった。と言っても歴史の話だが、AFPBBのサイトに「最古の「ゼロ」文字、3~4世紀のインド書物に 英大学が特定」というタイトルの話題を見つけた。

 記事によると「~4世紀のインドの書物に記された黒い点が、数字の「0(ゼロ)」の最古の使用例であることを、英オックスフォード大学(University of Oxford)のチームが特定した」と書かれていた。

 もう少し具体的には、「バクシャーリー(Bakhshali)写本」と呼ばれる、1902年からオックスフォード大学のボドリアン図書館(Bodleian Libraries)で保管されてきた書物に、数字の「0」を意味する記号が使われていること自体は以前からわかっていたが、「放射性炭素年代測定したところ、制作時期がこれまで考えられていたよりも約500年さかのぼる3~4世紀であることが判明した」ということらしい。

 Wikipediaに「バクシャーリー(Bakhshali)写本」の項目があったので見てみると「バクシャーリー写本は、規則(スートラ)と、その例題が集められており、次のような順番で書かれている。規則、例題(はじめは言語、次に記号)、解、検算」と説明されている。

 これだけではなんのことがわからないが、もう少しみると「算術と代数が中心で、幾何学的な求積問題も含まれている。算術の例題には、分数、平方根、損益勘定、利息、三数法などがある。代数の例題には、1次方程式、2次方程式、連立方程式、不定方程式、等差数列などがある。記数法においては、0や未知数を表すために点が用いられており、位取りに発展がみられる」と説明されていて、古代の数学の書物だ、ということがわかる。

 実際に記載されている記号もWikimediaにあった(パブリックドメイン)ので、貼り付けておこう。

800pxbakhshali_numerals_1

 また、書物が保管されている、オックスフォード大学の図書館のサイトでも大きく取り上げられていて、YouTubeにニュース画像を流しているので、それも貼り付けておくことにする。

 ちなみに、古代中国では「零(れい)」という漢字がすでに紀元前から使われていたようなのだが、実際には数字の「0(ゼロ)」とは少々違う意味を持つ漢字らしい。また、「九章算術」という古代中国の数学書では「無」という漢字を使って「0」のことを説明している箇所が見られるようだが、これは文章の中で説明しているだけで、「0」を表す記号としは使われていない。

 その他、「0」にまつわる話を調べていくと、例えば「201」を漢字で書くと「二百一」と書いて「0」にあたる記号はないし、今回のニュースのものより古い書物には「0を意味する記号」は使われていないようだ。

 ということで、今回は「0」を意味する記号が使われた最古の書物に関するニュースを紹介した。まあ、「0」は、あるんだかないんだかよくわからない微妙な数、というイメージがある。例えば天気予報で「降水確率 0(零)パーセント」と言っても実際には全く降らないという意味ではない、なんていうのもあるらしい。

 他にも「0」について よくわからないことが多いので、また機会があったら「0」について調べてみるのも悪くない気がする。

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2017年9月 7日 (木)

ハッピー素数(Happy Prime)

 今日の月日を並べた「907」は素数になっていたのでついでに考えてみたら、逆にした「709」も素数の「エマープ(emirp)」になっていた。さらによく見ると、0を除いて2桁にした「97」も素数でその逆「79」も素数の「エマープ(emirp)」である。

 ということで、素数に関するネタにしようかと思って「907」「709」「97」「79」に共通した性質を調べてみたところ「ハッピー素数(Happy prime)」というものが見つかった。

 まず「ハッピー数」がどんなものか説明する必要がある。ハッピー数とは「自然数の各桁を1桁に分解して二乗和を取り、新しくできた数についても同じ処理を繰り返し行って、最終的に1となる数」のこと。

 例えば、「97」の場合、

92+72=81+49=130
12+32+02=1+9+0=10
12+02=1+0=1 !!

ということで、ハッピー数になっている。何が「ハッピー」なのかよくわからないが、他の「907」「709」「79」も同じようになるはずで、これらは素数でもあるから「ハッピー素数」と呼ばれることになる。

 Wikipediaの英語版のところを見てみると、2010年の段階で知られている最大のハッピー素数は

242643801-1

で、12,837,064桁の数のようだ。ちなみに、ハッピー数は無数にあるのだが、「ハッピー素数」の方は今のところ無数にあるかどうかは不明らしい。

 ということで、今回は「ハッピー素数」というものを紹介してみた。結局何がハッピーなのかよくわからなかったが、そんなことはどうでもいいかもしれない。まあ、また時間があるときにいろいろ調べて紹介できたらいいと思う。

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2017年8月23日 (水)

左切り捨て可能素数

 今日の日付を数値にした「823」が素数になっていたのでついでに見てみたら、「821」「823」「827」「829」がそれぞれ素数で「四つ子素数」が現れた。そんなこともあって、久しぶりに今回は素数のネタにしてみようかと思う。

 ということで、この素数「823」に何らかの特徴があればいいのだが、と思ってさらに見てみると、これが「左切り捨て可能素数」というものになっていることに気がついた。

 今日の日付「823」は、「823」の他、左から一つずつ数値を除いていった「23」や「3」も素数になっている。このように、「それ自身が素数であるとともに、左から数字を順に取り除いたものが全て素数(さらにどの桁も0ではない)」となるものが「左切り捨て可能素数」である。なお、「107」のように、0を含むような素数は定義から除かれている。

 一桁の素数「2」「3」「5」「7」は、切り捨てるところがないものの「左切り捨て可能素数」の仲間に入れる。次に二桁のものは、これら4つの素数のいずれかが一桁目になっている素数「13」「17」「23」「37」「43」「47」「53」「67」「73」「83」「97」が当てはまる。

 同様にして、三桁以上の「左切り捨て可能素数」も列挙することができる。こうやって列挙していくとキリがないように思われるが、実際には全部で4260個しかないそうで、一番大きな「左切り捨て可能素数」は、24桁の

357686312646216567629137

であることも既に知られている。

 また、十進法以外のものも同様に考えることができる。例えば、三進法の「左切り捨て可能素数」は、

「2 (=十進法の2)」「12 (=十進法の5)」「212 (=十進法の23)」

の3つとなる。(三進法で表記された「左切り捨て可能素数」は、実はこの3つしかない。)

 ということで、今回は久しぶりに素数に関するネタで「左切り捨て可能素数」を紹介した。8月もあっという間に残りあと1週間ちょっとになってしまった。まあ、今年の夏は短かったなどと余計なことを考えても仕方がないので、これから夏休み気分を抜いていこうと思う。

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2017年4月25日 (火)

連続の方程式

 前回、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本から方程式と名前のつく項目のひとつをしょうかいしてみた。

 他にも、方程式の話があって、今回は「連続の方程式」を簡単に紹介してみようと思う。連続の方程式をwikipediaで調べてみると、「物理学で一般的に適用できる方程式で、「原因もなく物質が突然現れたり消えたりすることはない」という自然な考え方を表す」と書かれている。

 これまで、なんとなく数学っぽいネタを見つけてきたが、これは物理学の話だ。まあ、それでも「方程式」だから、数学っぽいといえばそうなるだろうか。ただ、この本で書かれている「質量の蓄積」「ある状態から別の状態への移転」「エネルギーのそれ」とを追跡する明確な公式、という説明を見ると、いかにも物理学、という雰囲気に感じる。

 ところで、ここまで本のこの項目を読んでちょっと気づいたことがある。例えば「エネルギーのそれ」という文など、「それ」という代名詞をそのまま直訳しているように感じる訳があるのはなんでだろうか。

 他にも、2ページ目の中ほどくらいだろうか。「そのとき、彼女は、、、、」と、「彼女」という代名詞が出てきた。文章を読んで内容がわかればいい、と言ってしまえばそれまでだが、なんとなく文章を読んでいて違和感を感じるのはちょっと残念な気はする。

 他の項目の文章を逐一全部見たわけでも、文章の原文をみたわけでもないのでなんとも言えないが、物理学っぽい文章は少々訳すのが難しいのかもしれない。まあ、それが物理学っぽさを出している、という見方もできるから悪くはないだろうか。

 忙しくて時間もなく、とりとめのない感じで短めな文章になってしまったが、今回はとりあえずここまでにしておこう。

 最近、ものすごく忙しくて仕事がどんどん湧いて出てくる気分になってしまっているが、連続の方程式に従うと「原因もなく突然現れたり消えたりすることはない」ということだから、どんどん湧いて出てくるのにはなんらかの原因があるのだろう。

 その原因はなんだろうか?と考えていても仕事は片付かないので、結局原因がわからないまま湧き出る仕事を一つ一つ片付けていくしかないのだが、そのうち原因を突き止めて湧き出る量をなんとか調整できるようになってほしいものだ。

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2017年4月20日 (木)

プライスの方程式

 今回も、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本から数学っぽいネタを探してみた。

 と思って目に付いた目次の項目は「プライスの方程式」。方程式、といえば数学っぽい感じでちょっと安易な気がするかもしれないが、とりあえずこの項目のページを開いてみることにした。

 なんとなく文章を読んでみると「変異と淘汰のプロセス」というキーワードが何回か使われていた。で、本によると、ここで紹介されているプライスの方程式は「どんな種類の変異と淘汰のプロセスをも描写する方程式」なのだそうだ。

 ちなみに、プライスというのは、(価格という意味ではなく)「ジョージ・プライス」というアメリカの科学者の名前にちなんでいるらしい。

 Wikipediaで調べてみると、この人は集団遺伝学者で「ダーウィンの自然選択説から導き出される道徳的な結論があまりに残酷だと感じており、、、」と書かれていた。

 この本をブログで最初に紹介した時、この本の中に「深遠で,エレガントで、美しい説明は何?」という問いに対し「もちろん、それはダーウィンであるべきだ」という回答がある、という話を書いた。

 それを「あまりに残酷だ」と感じるのは、このプライスという人は、ダーウィンを否定したい気持ちがある一方で、エレガントな説明であること自体は認めざるをえない、と考えていたようにも思える気がするが、どうだろう。

 本によると、そんな人が考えたこの方程式は「多層性淘汰」というものを説明することができ、生き残るために「利他的」になることがあるのはなぜか、ということを考えるために利用出来るものらしい。

 ということで、今回も先月紹介した本の中から「プライスの方程式」の話を紹介してみた。忙しくて、この本にあるたくさんのネタをきちんと調べてみる余裕がなかなかとれないのが少々残念だが、時間を見つけてもう少しこの本を読んでみたい気もする。

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2017年4月10日 (月)

ヒョウの斑点はどうしてできたか

 前回、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本のテーマになっている「深遠で、エレガントで、美しい説明」という話の中から数学っぽいタイトルのページを探してみたが、ちょっと安易に書きすぎたかな、という気もする。

 ただ、他にも数学の話題を探してみたいと思ってページをパラパラめくってみたら、前回ブログで紹介したところの次にある「ヒョウの斑点はどうしてできたか(451ページ)」も数学の話題になっていることに気がついた。

 なんとなくタイトルを見ると、生物の話のような気がするが、斑点にでき方について、ヒョウに限らず「多種多様なすべての模様にあてはまる、統一理論によるたった一つの基本的な説明が存在する」と、このページには書かれている。

 そこで登場するのが、「反応-拡散モデル」と呼ばれるもので、「シンプルな数式群が動物の模様と色彩を形成する多様な過程を支配している」と本でが説明されていた。

 もう少し本から説明を引用すると「このモデルの働きは単純だ。複数の化学物質があり、それらは平面上に拡散し、化学物質どうしは相互反応しうるとする。」「(この場合)非均一性が生じうる。」などと書かれている。

 なんだか少々わかりにく感じもするので、もう少し調べてみると、この話を最初に論文にした人にちなんだ「チューリング・パターン」というwikipediaの項目に、このシンプルな数式群が作り出す計算結果の画像(パブリック・ドメイン)があった。

320pxturingpattern

 確かに、この計算結果をみると、ヒョウの斑点っほい感じがするだ。ヒョウ以外にもたとえばタテジマキンチャクダイは、体の模様がこのモデルを使って説明できることを日本の研究者が実験で確認した魚として知られているそうだ。

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 ということで、今回も「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本のなかから数学っぽい話題を紹介した。

 生物の複雑そうな模様がこのシンプルな数式群で説明できる、という話は、オッカムのかみそりの話と同様、必要以上に多くの仮定を置かずに可能な限り多くの実証的事実が説明できる説明が「深遠でエレガントで美しい」というパターンに当てはまる感じがする。

 個人的に、こういうパターンに当てはまる数学の話題は他にもある気もするので、もう少しこの本の中身を見て、数学っぽいテーマを探してみたい気がする。

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