2017年4月25日 (火)

連続の方程式

 前回、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本から方程式と名前のつく項目のひとつをしょうかいしてみた。

 他にも、方程式の話があって、今回は「連続の方程式」を簡単に紹介してみようと思う。連続の方程式をwikipediaで調べてみると、「物理学で一般的に適用できる方程式で、「原因もなく物質が突然現れたり消えたりすることはない」という自然な考え方を表す」と書かれている。

 これまで、なんとなく数学っぽいネタを見つけてきたが、これは物理学の話だ。まあ、それでも「方程式」だから、数学っぽいといえばそうなるだろうか。ただ、この本で書かれている「質量の蓄積」「ある状態から別の状態への移転」「エネルギーのそれ」とを追跡する明確な公式、という説明を見ると、いかにも物理学、という雰囲気に感じる。

 ところで、ここまで本のこの項目を読んでちょっと気づいたことがある。例えば「エネルギーのそれ」という文など、「それ」という代名詞をそのまま直訳しているように感じる訳があるのはなんでだろうか。

 他にも、2ページ目の中ほどくらいだろうか。「そのとき、彼女は、、、、」と、「彼女」という代名詞が出てきた。文章を読んで内容がわかればいい、と言ってしまえばそれまでだが、なんとなく文章を読んでいて違和感を感じるのはちょっと残念な気はする。

 他の項目の文章を逐一全部見たわけでも、文章の原文をみたわけでもないのでなんとも言えないが、物理学っぽい文章は少々訳すのが難しいのかもしれない。まあ、それが物理学っぽさを出している、という見方もできるから悪くはないだろうか。

 忙しくて時間もなく、とりとめのない感じで短めな文章になってしまったが、今回はとりあえずここまでにしておこう。

 最近、ものすごく忙しくて仕事がどんどん湧いて出てくる気分になってしまっているが、連続の方程式に従うと「原因もなく突然現れたり消えたりすることはない」ということだから、どんどん湧いて出てくるのにはなんらかの原因があるのだろう。

 その原因はなんだろうか?と考えていても仕事は片付かないので、結局原因がわからないまま湧き出る仕事を一つ一つ片付けていくしかないのだが、そのうち原因を突き止めて湧き出る量をなんとか調整できるようになってほしいものだ。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年4月20日 (木)

プライスの方程式

 今回も、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本から数学っぽいネタを探してみた。

 と思って目に付いた目次の項目は「プライスの方程式」。方程式、といえば数学っぽい感じでちょっと安易な気がするかもしれないが、とりあえずこの項目のページを開いてみることにした。

 なんとなく文章を読んでみると「変異と淘汰のプロセス」というキーワードが何回か使われていた。で、本によると、ここで紹介されているプライスの方程式は「どんな種類の変異と淘汰のプロセスをも描写する方程式」なのだそうだ。

 ちなみに、プライスというのは、(価格という意味ではなく)「ジョージ・プライス」というアメリカの科学者の名前にちなんでいるらしい。

 Wikipediaで調べてみると、この人は集団遺伝学者で「ダーウィンの自然選択説から導き出される道徳的な結論があまりに残酷だと感じており、、、」と書かれていた。

 この本をブログで最初に紹介した時、この本の中に「深遠で,エレガントで、美しい説明は何?」という問いに対し「もちろん、それはダーウィンであるべきだ」という回答がある、という話を書いた。

 それを「あまりに残酷だ」と感じるのは、このプライスという人は、ダーウィンを否定したい気持ちがある一方で、エレガントな説明であること自体は認めざるをえない、と考えていたようにも思える気がするが、どうだろう。

 本によると、そんな人が考えたこの方程式は「多層性淘汰」というものを説明することができ、生き残るために「利他的」になることがあるのはなぜか、ということを考えるために利用出来るものらしい。

 ということで、今回も先月紹介した本の中から「プライスの方程式」の話を紹介してみた。忙しくて、この本にあるたくさんのネタをきちんと調べてみる余裕がなかなかとれないのが少々残念だが、時間を見つけてもう少しこの本を読んでみたい気もする。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月10日 (月)

ヒョウの斑点はどうしてできたか

 前回、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本のテーマになっている「深遠で、エレガントで、美しい説明」という話の中から数学っぽいタイトルのページを探してみたが、ちょっと安易に書きすぎたかな、という気もする。

 ただ、他にも数学の話題を探してみたいと思ってページをパラパラめくってみたら、前回ブログで紹介したところの次にある「ヒョウの斑点はどうしてできたか(451ページ)」も数学の話題になっていることに気がついた。

 なんとなくタイトルを見ると、生物の話のような気がするが、斑点にでき方について、ヒョウに限らず「多種多様なすべての模様にあてはまる、統一理論によるたった一つの基本的な説明が存在する」と、このページには書かれている。

 そこで登場するのが、「反応-拡散モデル」と呼ばれるもので、「シンプルな数式群が動物の模様と色彩を形成する多様な過程を支配している」と本でが説明されていた。

 もう少し本から説明を引用すると「このモデルの働きは単純だ。複数の化学物質があり、それらは平面上に拡散し、化学物質どうしは相互反応しうるとする。」「(この場合)非均一性が生じうる。」などと書かれている。

 なんだか少々わかりにく感じもするので、もう少し調べてみると、この話を最初に論文にした人にちなんだ「チューリング・パターン」というwikipediaの項目に、このシンプルな数式群が作り出す計算結果の画像(パブリック・ドメイン)があった。

320pxturingpattern

 確かに、この計算結果をみると、ヒョウの斑点っほい感じがするだ。ヒョウ以外にもたとえばタテジマキンチャクダイは、体の模様がこのモデルを使って説明できることを日本の研究者が実験で確認した魚として知られているそうだ。

316pxpomocanthus_imperator

 ということで、今回も「知のトップランナー149人の美しいセオリー」の本のなかから数学っぽい話題を紹介した。

 生物の複雑そうな模様がこのシンプルな数式群で説明できる、という話は、オッカムのかみそりの話と同様、必要以上に多くの仮定を置かずに可能な限り多くの実証的事実が説明できる説明が「深遠でエレガントで美しい」というパターンに当てはまる感じがする。

 個人的に、こういうパターンに当てはまる数学の話題は他にもある気もするので、もう少しこの本の中身を見て、数学っぽいテーマを探してみたい気がする。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年4月 5日 (水)

逆べき乗則

 3月21日のとき、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」という本を紹介した。

 いろんな話がかかれていて、しばらくこの本からネタを探そうかな、と思っていたりする。

 で、本の目次をサッと眺めてみると、生物、自然、物理っぽいネタが多い感じだが、一部数学っぽいものもあったりする。

 この本の448ページは「逆べき乗則」というタイトルで、「私が興味をそそられるのは、世界と社会のほとんどの側面に、逆べき乗則と呼ばれるものに従う分布がみられるという経験則だ。」という文章から始まっていた。

 ここで出てくる「逆べき乗則」というのは、様々な統計データが数式で書くと「y=1/xn」のグラフに近い形で分布している、という話だ。

 例として「たいていの文書において、ある単語が使用される回数は、使用頻度ランキングにおけるその単語の順位の逆数にほぼ比例する」という「ジップの法則」が挙げられている。他にも収入の逆べき乗則とか「エレガントで簡潔さと深遠な謎を秘めているが、美しいというより腹立たしい」と思ってしまうような話も書いている。

 要するに、下のように逆べき乗則に従うと、高い値の部分は左に少しだけで真ん中より右の部分は皆低い値しかないグラフのように、大多数は低い値に甘んじるような現象は「腹立たしい」と述べられている。

320pxlong_tail

 確かに、その通りだと思うが、この項目の最後に「富めるものと貧しいものの格差は私たちにはどうしようもないと言ってしまうのは悲観的すぎる」「願わくはこの過酷な法則をねじ曲げて、もう少しゆるやかな下降にしたいものだ」と書かれているが、私も同感だ。

 ということで、簡単だが今回は先月紹介した本の中から逆べき乗則というタイトルのところをちょっと見てみた。まあ、タイトルをパッと見て数学っぽい感じがしたところを紹介したが、他にも数学に関連する話題がいくつかありそうなので、他のところも紹介できたらと思う。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年3月 1日 (水)

ツール・ド・プライム(Tour de Primes)

 今日の年月日を並べた「20170301」は素数だったので、久しぶりに素数にまつわるネタをあれこれ探してみたところ、「Tour de Primes 2017 (ツール・ド・プライム 2017)」というサイトが見つかった。

 ちょっと眺めてみたら、自転車の「ツール・ド・フランス」にもじったタイトルで何となく気になってので、少し調べてみた。

 以前ブログで紹介したことがある、コンピュータで素数を見つけるプロジェクトの一つ「PrimeGride」が企画しているもので、サイトのページの最初には

「Welcome to the 9th annual Tour de Primes. 2 is the first prime number...and the only even one. This makes it unique among prime numbers. Therefore, February is declared Prime month...being the 2nd month of the year.」

と書かれていた。要約すると「2は最初の素数で、かつ唯一の偶数という特別な素数、ということで、2月は(特別な)素数月とする」となるだろうか。何だかこじつけてる感じもするが、そんな理由で「For the month of February, an informal competition is offered.(2月中、気楽にできるコンペが提供されている)」ということのようだ。

 で、何をするのかということは、ツール・ド・フランスにもじって与えられる「jersey(ジャージ)」のところを見るとわかるようになっている。例えば

Red Jersey - discoverer of largest prime
(最大の素数を見つけた人は、レッド・ジャージ)
Yellow Jersey - prime count leader
(最も多く素数を見つけた人は、イエロー・ジャージ)
Green Jersey - points (prime score) leader
(ポイントが最も多い人は、グリーン・ジャージ)

などと書かれていた。ツール・ド・フランスでは、優勝者のジャージ「マイヨジョーヌ」はイエロー・ジャージだから、2月の1ヶ月間に最も多くの素数を見つけた人が優勝、ということになるのだろうか。

この他、

Polk-a-dot Jersey - on the 19th of February we'll have a "mountain" stage and award the Polk-a-dot Jersey to the one who finds the most primes on that day.
(2月19日は山岳ステージで、この日に最も多くの素数を見つけた人に、赤い水玉ジャージ)

というのもある。何が「山岳」なのかよくわからないが、そんなことはどうでもよくて、盛り上がればいいのだろう。

 で、結果

最大素数:2514168262144+1
見つけた素数の最多数:37
山岳ステージ最多数:3

となっていた。また、ポイント最大数争いでは、37個の素数を見つけた人のポイントは「3783.70811636844」なのに対し、最大素数を見つけた人は、この1個しか見つけてないのだがポイントは「5802.0418294456085」と圧倒したようだ。

 ということで、今回は「ツール・ド・プライム 2017」という素数をコンピュータで探すコンペを紹介した。特に賞金や商品などはないようだが、楽しく競い合ってるので、それでいいだろう。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年2月 9日 (木)

「まちがい」と言われても、、、

 前回と同じパターンになってしまうが、今回も「数学まちがい大全集」の本からのネタにしたいと思う。

 数学の中のまちがいと言っても、まちがいの度合いというかレベルは様々で、「あれ?これは何が間違ってるのかよくわからない?」と思ってしまうものもあったりする。例えば、この本の94ページに「お金が消えてしまうパラドックス」はその一つかもしれない。

 まず、簡単に設定を説明すると、「3人でホテルの1室に泊まるために、彼らは最初に合計60ドル支払った」が、その後「実はその部屋の正しい宿泊費が1泊55ドルである事に気がついた」ため「超過分の5ドルを返すためにベルボーイを3人の部屋に向かわせた」のだが、「そのベルポーイは3人に1ドルずつ(合計3ドル)返しただけで、残りの2ドルを自分の懐に入れて着服してしまった」という話である。

 ここで、話を改めて整理してみようと、「結局3人が宿泊費として支払ったのは、(3ドル返却されて)57ドル」と「ベルボーイが懐に入れたのは2ドル」と考えると、「合わせて59ドルしかない?」「あれ?最初に60ドル支払ったはずなのに?」などと疑問が出てしまう。

 これは、どこが間違ってるのか、ちょっとわかりにくい。実際、宿泊した3人は「60-3=57ドル」を宿泊費として出したと思ってる訳だし、ベルボーイが着服したのは2ドルでまちがいないから、「何で最初に60ドル出したのに、57+2=59ドルにしかならないの?」と真剣に悩んでしまう気がする。

 実際には、この話を正しく整理すると「(3人が払った金額とは無関係に)宿泊費は55ドル」で、さらに「ベルボーイが2ドル着服した」のだから、3人の宿泊者は「宿泊費55ドル+着服分2ドル=57ドル(=60ドル-返却分3ドル)」を支払わされた、と考えなければならない。

 ただ、このあたりは、一言で「まちがい」と言われても、感覚的に何となく納得できない部分が付きまとってしまう例の一つかもしれない。

 この本に書かれている「数学のまちがい」の多くは、見ただけで「これは間違いでしょう」とわかるものが多いのだが、たまに「あれ?何が違うの?」と思わされる話があったりするところが面白いと思う。

 まあ、この本も結構読んだし、ここからのネタはこれくらいにしておこう。また、面白そうな本を見つけたらブログで紹介してみたい。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年2月 4日 (土)

数学者のケアレスミス

 先月後半からの流れで、今回も「数学まちがい大全集」の本の中からネタを探してみた。

 まず一つ目は、常用対数(log10 P)の話で、Pの数値に対応する常用対数(log10 P)の値を並べた常用対数表に関するミスの話がこの本に載っていた。

 この常用対数表、世界で初めて作った人はブリッグスという人。その本の一部画像(パブリックドメイン)がWikimedia Commonsにあったので貼り付けておこう。

370pxlogarithmorum_chilias_prima_pa

 で、この世界で初めて作られた常用対数表には足りない部分があったこともあり、その後フラックという人が足りない部分を補完して1628年に世界初の常用対数表が完成Versionが出版されたのだが、実はその表にたくさん間違いがあったらしい。

 正しい結果が書かれた常用対数表が出版されたのは、完成Versionが出版されてから150年以上も後の話で、1794年にヴェガによって改定されたそうだ。Wikimedia Commonsに出版された常用対数表の一部の画像もあったので貼り付けておこう。

594pxhoughton_math_83797__logarithm

 もう一つ、話は変わって、今度はノーベル賞も受賞したエンリコ・フェルミの話。本には「有名な科学者が犯したケアレスミス(60ページ)」として紹介されている。

 なんでも、フェルミが講義をしている姿を撮った写真がアメリカで発行された記念切手に使われたらしいのだが、その講義で板書されていた式になんとケアレスミスがある、という話。

 要は、授業の時に公式を書き間違えてしまったらしい。Wikimedia Commonsを探してみると、ちょうどその時の講義の写真が見つかった。これもパブリックドメインの画像なので、貼り付けておこう。

372pxenrico_fermi_at_the_blackboard

 素人目には、何が間違ってるのか全くわからないが、上から2番目の公式が間違ってるそうだ。

 ということで、先月後半の流れで、今回も数学まちがい大全集の本の中からネタを探した。優秀な数学者でも計算ミス・ケアレスミスをする時がある、と思うとなんだか少しホッとする。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年1月25日 (水)

円周率にまつわるきまりの悪い話

 前回紹介した本「数学まちがい大全集」に気になる話題が幾つかあって、今回もその中の話を紹介しようかと思う。

 この本の「はじめに」の最初に出てくる間違いは「円周率の小数点以下の値の計算」に関することで、イギリスのウィリアム・シャンクスという人が1874年に円周率の値の計算の小数点以下の桁数世界記録を更新したが、その結果について「528桁目に間違いがある」ことが後にわかった、という話だ。

 ちなみに、正しかった「527桁」まででも1874年当時の世界記録で、手計算で527桁まで正しく計算したのは驚異的だと思う。

 ただ、この本では31ページに「きまりが悪いまちがい」として紹介されている。というのは、本によると「現在はパリ科学博物館となっている「発見の殿堂」と呼ばれる建物の丸天井に円周率の値が大きな木製の数字を使ってらせん状に飾られた」らしいのだが、それが「528桁目に間違いのある1874年のシャンクスの計算結果を用いてしまった」というのが「きまりが悪い後日談」ということのようだ。

 こういった、数学の中身とは直接は関係ない円周率にまつわるきまりが悪い話は、調べてみると他にも出てきた。

 本には載っていない話だが、Wikipediaの円周率の歴史の項目を見ると、「インディアナ州円周率法案」の話が結構目立つように書かれていた。

 これは、間違った内容を法律にしてしまおう、というとんでもない話だ。結果的に数学者の指摘で法案は成立しなかったそうだが、それでもインディアナ州の下院は通過して上院で審議していたらしい。

 法案の審議では、この内容を著作権で保護するだとか、公立学校での利用については無償で提供するとか、そんなことばかり議論されていて、内容そのものが正しいかどうかという話は数学者に指摘されるまで出ていなかったようだ。なんだか他の法律の審議も心配になってしまう。

 もう一つ、1998年のエイプリル・フールの時に「アラバマ州議会が、円周率を「3.14159265…」から、キリスト教にとってより純粋で聖なる数字「3.0」に変更する法案を可決した」というジョークの話があったそうだ。

 これは間違いではなく嘘なのだが、かなり多くの人が信じたようで、同州議会事務局には抗議の電話が殺到したらしい。

 日本でもかつて、ゆとり教育の議論の中で「円周率は3」という話が出てきたりしたが、円周率は他の数学の話題と比べて扱いが圧倒的に大きく、世の中に多大な影響を与えるようなので、間違いがないように気をつけないといけない。

 ということで、今回も前回の流れで数学の間違いに関連する話題の中で円周率にまつわるものを紹介した。なんだか他にもネタがありそうなので、また紹介してみたい。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2017年1月20日 (金)

本の紹介:数学まちがい大全集

 今回は本の紹介にしようかと思う。時間があるときに大きな本屋へ行ってブラッと本を眺めていたときに見つけた「数学まちがい大全集」という本。

 基本的には中学高校数学のレベルの中で間違えやすいポイントなどについて書かれた本だが、試験でのケアレスミスとかではなく、証明・論証などの中での間違いが多い。まあ、頭がいい人でもおかしそうな間違い、というのがコンセプトのようだ。

 そんな本の中で、個人的に気になったのが、最初の「はじめに」や、第1章など、合間にちょこっと書かれている、有名な数学者の間違いの話。

 例えば、ブログで2016年8月3日の「数学に対する世間一般の目」の後半の方で紹介したオイラーのミスの話を紹介したが、この本の52ページにその話が載っていた。

 ただ、単純な思い違い的な間違いの中には、その後の数学の発展に大きく寄与することがある。例えば、フランス貴族でギャンブル好きのシュバリエ・ド・メレの話はその一つ。

 彼は、思い違いによってギャンブルに大損らしいのだが、それが納得できなかったのか、有名な数学者の一人のパスカルに相談をした、という話がこの本の23ページに出てくる。

 これはその後、確率論の基礎となるパスカルとフェルマー間の手紙のやり取り「世界を変えた手紙6年前にブログでも紹介)」のきっかけとなった。

 他には、ポアンカレの三体問題の論文の話がこの本の58ページあたりに書かれている。この論文はカオス理論の系統的研究の最初のものとされているが、実は最初に書かれたものには間違いがあった、という話だ。

 もともと間違った内容で提出された論文が賞をとったりしたらしいのだが、後にミスが指摘されるとポアンカレはミスを修正して「カオス理論」の基礎となる大きな業績を残した、ということのようだ。

 他にもいろんな間違いの話が載っているが、今回はとりあえずこれくらいにしておこう。「ミスを犯さない人間には、何もできない」というのはイギリスの諺だそうだが、こういった話を具体的に見ると、この諺も説得力が出てくる感じだ。

 間違ったという話は、普通は表に出ないことが多いと思うが、面白そうなので、もう少しこの本からネタを探そうかな、と思っている。

--------

Copyright (c) 2017 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

2016年12月 6日 (火)

Lychrel数(Lychrel number)

 今日の日付をヨーロッパ方式で「日月年(西暦下2桁)」で並べると「61216」だから、回文数になる。ブログでは、ずいぶん前になるが、2012年8月21日に「回文数の性質」でネタにしたことがあった。ということで、とりあえず4年前にブログに書いた文章を見直してみた。

 この時には回文数に関連する性質で「ある数と、それを左右反転させた数を足し合わせると回文数になることがある」というものがあった。例えば、今日の日付を日本式に「161205」と並べてしまうと回文数にはならないが、

161205+502161=663366

とすると回文数が現れる。

 また、1回だけでなく、複数回左右反転足し算を続けて回文数が現れる例もあげていた。4年前は、この性質について例をあげる程度で終わってしまったので、今回は、4年ぶりにこの話の続きを書いてみることにした。

 調べてみると、この左右反転足し算の繰り返しは、英語で「Lychrel process」と呼ばれていることがわかった。また、100京以上の1186060307891929990は、回文数になるまでの繰り返し回数が261回、という現時点で知られている中では最大回数の記録を持っている自然数なのだそうだ。

 もう一つ、重要なものに「Lychrel数(Lychrel number)」と呼ばれる数があるらしい。この定義は「Lychrel processの有限回の繰り返しでは回文数にならない」という自然数。

 こういう数が定義されているんだから、それがどんな数だか気になるところだが、実は「Lychrel数が存在するか?」という問題は未解決問題で、存在することを証明した人は今のところいない。

 「196」という自然数が、「Lychrel数」の可能性がある数の中では最小のもの、と言われているが、「196」に対してコンピュータでLychrel processの繰り返しを計算させても、永遠に終わらないのか、それとも何十年後かに止まるかもしれないのか今のところ誰にもわからないようだ。

 ということで、今回は久しぶりに回文数について調べてみた。ネタが豊富な素数とは違って、回文数の話はそれほどネタが見当たらなかった。調べてみてわかったが、どうもLychrel processの最大回数(261回)の数が見つかってから10年以上かかってもこの記録が更新されていないらしい。

 意外に早い段階で回文数になってしまうものがほとんどで、計算がなかなか終わらないものは、無限に終わらないLychrel数なのか、それとも果てしない時間が経った後に終わるのか不明のままの手詰まり状態が10年以上続いている、ということなのかもしれない。

 だから4年以上もブログのネタにするタイミングがなかったのだと思う。また、次に回文数の話題をネタにする日が来るかどうかわからないが、気長に待つしかなさそうだ。

--------

Copyright (c) 2016 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

| コメント (0)

より以前の記事一覧