クラウドクラスター(Multicell cluster)
火山噴火とか地震とか、いろいろ続いているが、九州の方では大雨の被害も出ているようだ。このブロブでも大雨の話題は過去に何回か取り上げている。例えば、去年の広島の土砂崩れの際には「バックビルディング現象」について取り上げた。
そんなこともあり、大雨のことを少し気にしながらニュースを見ていたら、今回の九州の大雨の原因として「クラウドクラスター」という言葉がよく出てきたように思う。そこで、この「クラウドクラスター」について、少し調べてみた。
まず、検索してみると、気象衛星センターのサイトに、衛星画像の特徴的パターンの一つとして「クラウドクラスター (Cloud cluster)」について説明されていた。
そこには「積乱雲(Cb: Cumulonimbus)は、それらが集合して巨大な塊を形成することがあります。この塊を「クラウドクラスター」(Cloud cluster)あるいは「Cbクラスター」(Cb cluster)と呼びます。」「クラウドクラスターは様々なサイズや発達段階の対流雲で構成されており、水平スケールは数百キロメートルにも達します。」と書かれていた。
去年の広島の土砂崩れの際のバックビルディング現象は、連続して同じような場所に積乱雲が発生して豪雨をもたらす、というものだったが、「クラウドクラスター」は、数百キロもの大きさの積乱雲が押し寄せてくるため、大雨・豪雨が広範囲にわたる、という特徴がある感じだ。
ところで、こういう言葉を調べるときは、いつも英語の方でも検索してみることにしているので、次に英語で「cloud cluster」と検索してみた。
すると、英語のサイトで現れたのは「Cloud computing」とか、コンピュータの「クラウド」に関する話ばかりで、気象に関する話題は見当たらない。この手のことを調べると、よくあることだが、積乱雲の巨大な塊のことは英語では「Cloud claster(クラウドクラスター)」とは呼ばないらしい。この言葉は日本人が勝手に作ったものなのだろうか。
こうなると、じゃあ「積乱雲の巨大な塊」のことを英語で何というのか、気になる。そう思って、もう少し調べてみると、Wikipediaの「雷雨・雷雨の種類と強度」という項目を見つけることができた。
そこには「マルチセルクラスター(Multicell cluster)」という言葉が載っていて「積乱雲の集団の中に成長段階の異なる複数のセルがあり、新旧交代が繰り返される。鉄砲水、大きめの雹、弱い竜巻が発生する恐れがある。クラウドクラスターとも言う。熱帯低気圧がこの典型。」と説明されている。
要するに、日本人が言う「クラウドクラスター」というものは「マルチセルクラスター」の別名のようだ。一方、英語版のWikipediaには「Thunderstorm・Multicell clusters(マルチセルクラスター)」という項目があった。ただ、そこを読んでみたが、残念ながら英語では日本語のような別名は書かれていなかった。
なんだか、最初は大雨で気になって調べ始めたのだが、だんだん大雨のことよりも、実は英語ではクラウドクラスターとは言わない、ということの方が気になってしまった。
英語では「マルチセルクラスター」と呼ばれていることがわかったので、今回のブログのタイトルのところに正しく「Multicell cluster」といれておいた。
今年も全国でゲリラ豪雨とかが多発しそうな予感もするので、今後も大雨に関する話題をブログでとりあげることになりそうだ。
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