2017年12月17日 (日)

ABC予想の論文掲載決定

 あれこれ忙しかったが、昨日の朝日新聞の1面に「数学の超難問・ABC予想を「証明」 望月京大教授」の記事が大きくと載ったので、1週間ぶりに更新しようと思う。

 このブログでは、2012年9月14日「ハイレベルな日本の数学者」で望月教授の紹介した後、4年経った2016年9月22日に「ABC予想の証明検証が進展する!?」でABC予想の証明検証の進展具合と望月教授について改めてとりあげた。

 この「進展する!?」と書いてから、1年3ヶ月ほど経って、とうとう証明の検証が終わり昨日のビッグニュースになった。

 また、このブログでも、このABC予想に関するページに非常に多くのアクセスがあったことを毎月のブログ報告でずっと書いていたが、実は先月はなんとなくアクセスが減っていた。これは、このビッグニュースの前触れ(嵐の前の静けさ?)だったのかもしれない。

 今月の最後には、今年1年間のブログ報告で1年分のアクセスランキングを載せるが、このニュースでABC予想の話題は残り2週間ほどでさらにアクセスが伸びるかもしれない。

 ということで、今回は昨日のABC予想に関するビッグニュースを簡単に紹介した。まあ、今回はあんまり細かいことは書かずあっさりした文章にしてみたが、数学の歴史的な出来事の瞬間に立ち会えた気分がしてくればそれでいいだろうと思う。

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2017年10月 2日 (月)

リーディングスキルテストの調査結果

 前回のブログ報告で、久しぶりに「リーディングスキルテスト」のページのアクセスが増えていたこともあって、少し関連するニュースというか動向をネットで調べてみた。

 すると、先月の9月23日に東京新聞に「中3の15%、短文も理解困難 教科書や新聞で読解力調査」という記事が載っていたのを見つけることができた。

 ちなみに、「リーディングスキルテスト」のことをブログで紹介したのは、今から1年前の2016年10月17日だったが、今回のニュースでは、「昨年から今年のかけて、全国の約二万四千人に実施した」と書かれていた。

 その結果、「中学三年生の約15%は、主語が分からないなど、文章理解の第一段階もできていなかった。約半数が、推論や二つの文章の異同などを十分に理解していなかった。」ということがわかったらしい。

 さらに、「基礎的読解力は中学では学年が上がるにつれて緩やかに上昇するが、高校では上昇しなかった」とあり、このテストというかプロジェクトのリーダー新井紀子教授は「基礎的な読みができていないと、運転免許など資格の筆記試験にも困難を伴うと予想される。中学卒業までに中学の教科書を読めるようにしなくてはならない」と語っている。

 確かに、将来の生活に直結するかもしれない重要な問題だと思う。ちなみに、これとは別の話だが、毎年小中学校で行なわれている「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果が8月28日に公表されたそうで、日本経済新聞には「全国学力テスト 地域差縮小、底上げ傾向続く」という記事が掲載されていた。

 これは過去10年間行われた結果の傾向が記事のタイトルになっているが、今回のリーディングスキルテストの報道と合わせると「学力の底上げ傾向が続いているようだが、実際にはまだ十分ではなく、特に中学生の段階では文章を読む力を身につけることがまずは重要」という感じになるだろうか。

 ということで、今回はリーディングスキルテストに関連した話を少し調べてみた。今回結果を公表したグループは今後も調査を継続していく、ということなので、今後また続報が出たときには紹介したいと思う。

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2017年9月17日 (日)

記号「0」の最古の使用例

 昨日、久しぶりに数学に関するニュースがあった。と言っても歴史の話だが、AFPBBのサイトに「最古の「ゼロ」文字、3~4世紀のインド書物に 英大学が特定」というタイトルの話題を見つけた。

 記事によると「~4世紀のインドの書物に記された黒い点が、数字の「0(ゼロ)」の最古の使用例であることを、英オックスフォード大学(University of Oxford)のチームが特定した」と書かれていた。

 もう少し具体的には、「バクシャーリー(Bakhshali)写本」と呼ばれる、1902年からオックスフォード大学のボドリアン図書館(Bodleian Libraries)で保管されてきた書物に、数字の「0」を意味する記号が使われていること自体は以前からわかっていたが、「放射性炭素年代測定したところ、制作時期がこれまで考えられていたよりも約500年さかのぼる3~4世紀であることが判明した」ということらしい。

 Wikipediaに「バクシャーリー(Bakhshali)写本」の項目があったので見てみると「バクシャーリー写本は、規則(スートラ)と、その例題が集められており、次のような順番で書かれている。規則、例題(はじめは言語、次に記号)、解、検算」と説明されている。

 これだけではなんのことがわからないが、もう少しみると「算術と代数が中心で、幾何学的な求積問題も含まれている。算術の例題には、分数、平方根、損益勘定、利息、三数法などがある。代数の例題には、1次方程式、2次方程式、連立方程式、不定方程式、等差数列などがある。記数法においては、0や未知数を表すために点が用いられており、位取りに発展がみられる」と説明されていて、古代の数学の書物だ、ということがわかる。

 実際に記載されている記号もWikimediaにあった(パブリックドメイン)ので、貼り付けておこう。

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 また、書物が保管されている、オックスフォード大学の図書館のサイトでも大きく取り上げられていて、YouTubeにニュース画像を流しているので、それも貼り付けておくことにする。

 ちなみに、古代中国では「零(れい)」という漢字がすでに紀元前から使われていたようなのだが、実際には数字の「0(ゼロ)」とは少々違う意味を持つ漢字らしい。また、「九章算術」という古代中国の数学書では「無」という漢字を使って「0」のことを説明している箇所が見られるようだが、これは文章の中で説明しているだけで、「0」を表す記号としは使われていない。

 その他、「0」にまつわる話を調べていくと、例えば「201」を漢字で書くと「二百一」と書いて「0」にあたる記号はないし、今回のニュースのものより古い書物には「0を意味する記号」は使われていないようだ。

 ということで、今回は「0」を意味する記号が使われた最古の書物に関するニュースを紹介した。まあ、「0」は、あるんだかないんだかよくわからない微妙な数、というイメージがある。例えば天気予報で「降水確率 0(零)パーセント」と言っても実際には全く降らないという意味ではない、なんていうのもあるらしい。

 他にも「0」について よくわからないことが多いので、また機会があったら「0」について調べてみるのも悪くない気がする。

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2017年7月24日 (月)

ガストフロント

 最近、連日各地で急激な大雨とか突風があった、というニュースが頻発している。そんな中で気になったのが「祭り会場の突風、「ガストフロント」現象か」というニュース。

 ニュースによると、「埼玉県上尾市と桶川市の祭り会場で16日に発生した突風について、熊谷地方気象台は19日、冷気と暖気の境目で突風が起きる「ガストフロント」という現象の可能性が高いと発表した」と書かれていた。

 「ガストフロント」をWikipediaで調べてみると「積乱雲からの冷たい下降気流が水平に吹き出し、周囲の暖かい空気の衝突した際にできる、上昇気流を伴った小規模な前線のこと」と書かれていた。Wikipediaにあった、ガストフロントの説明のための図(パブリックドメイン)も貼り付けておこう。

180pxdownburst_gustfront

 図の矢印が風の流れで、真ん中あたりの上向きの青(冷たい風)と赤(暖かい風)の間のところが「ガストフロント」ということのようだ。

 なんとなく理屈はわかっても、この図だけだは実感がわきにくいかもしれない。そこで、英語版のページを見てみると、こんな写真(パブリックドメイン)もあった。

320pxthunderstorm_with_lead_gust_fr

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 これらはアメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)によるもので結構迫力のある写真だ。

 日本で過去に起こったガストフロントを調べてみると、2008年7月27日に福井県敦賀市で発生したときには、イベント会場で死者も出る惨事になった、という話も見つかった。

 ちなみに、この2008年は夏の局地的荒天続発の年だった。今年は、この年以上に局地的荒天が続発していると思うのは気のせいだろうか。

 ということで、今回はニュースにあった「ガストフロント」という言葉が気になったので調べてみた。これからどんな天気になるのか、本当に気になるところで、そのたびにブログに取り上げていたらキリがない感があるが、今回のように具体的な原因がわかるような話ができてきたら、また取り上げてみたい気がする。

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2017年7月19日 (水)

南極の棚氷がついに分離

 約半年前の1月10日のブログで「南極の巨大氷塊が分離へ」というニュースを取り上げたが、先週とうとう分離した、というニュースがあった。

 結構いろんなところで報道されていたのが、例えば日経新聞の「南極の棚氷分離、最大級の氷山に 三重県ほどの大きさ」という記事を見ると「南極半島東側にあるラーセン棚氷の一部が割れて分離し、氷山になったことを確認した」「ちぎれた面積は約5800平方キロと三重県ほどの大きさで、重さは1兆トンを超える過去最大級の氷山という」と書かれていた。

 他にもAFPBBでは「南極の棚氷から巨大氷山が分離 重さ1兆トン、史上最大級」では、「分離は7月10日から12日の間に発生し、ラーセンCにあった約5800平方キロメートルもの部位がついに分離した」「今後A68と名付けられる予定の氷塊」とある。また、AFPBBでは、英南極調査所から公開された映像の動画もあった。

 他のもたくさん報道があり、かなり反響が大きいニュースになっているようで、また今後も色々な場面で取り上げられるかもしれない。

 例えば、過去には映画「The Day After Tomorrow」の中で、2002年に発生したラーセンB棚氷の大規模亀裂の実際の映像が使われたりしているそうで、今後同じようなパターンで今回のラーセンC棚氷の亀裂映像が利用される可能性もあるかもしれない。

 ちなみに、地球の異常気象を題材にしたこの映画では、東京にゴルフボールサイズの巨大な雹が降り注ぐシーンがあるらしい。

 そういえば昨日、「広範囲で大雨や落雷・突風…東京都心でひょうも」というニュースがあった。この記事には、通りがかりの人が「ひょうで歩道が一面真っ白になった。今まで見たこともない光景で怖かった」と驚いていた、ということも書かれていたが、なんだか不気味な気分になってくる。

 ということで、今回は南極の棚氷分離のニュースを紹介した。かなり大きく報道されているので、今後もあれこれ話題になるかもしれない。

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2017年7月 9日 (日)

海流発電の実証試験機完成

 前回のウニの話とはちょっと違うが、今回も日本の近海での話題。おとといの日経新聞のサイトに載っていた「世界初の「海流発電」実験、IHIが描く可能性」という記事が気になったので少し調べてみた。

 記事によると「IHIと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7日、2020年に実用化を目指す水中浮遊式「海流発電」の実証試験機を横浜市内で報道公開した」と書かれていた。

 「海流発電」というのは、wikipediaの項目を見ると「海流による海水の流れの運動エネルギーを水車、羽根の回転を介して電気(電気エネルギー)に変換させて発電させる方式」「CO2を排出しないため、環境負荷が極めて小さい」などと書かれていた。

 海流のところに水車を置くという、いたってシンプルなもののようだが、海流は基本的に途絶えることはない流れ、ということもあって、他の再生エネルギー(風力や太陽光など)と比べて非常に効率がよく、安定した発電が期待出来るそうだ。

 記事には具体的に「海流発電の設備利用率は40~70%と高い。風がないと止まってしまう風車は地上なら20%、洋上でも30~40%程度にとどまる。日照がないと発電できない太陽光にいたっては利用率は10~15%程度」と書かれていた。

 実際に完成した実証試験機は「かいりゅう」という名称で、実験が行われる口之島(鹿児島県)のある十島村の小中学生によって名づけられたそうだ。

 この「かいりゅう」の実際の姿は、たとえばテレビ朝日系のニュース配信サイト(Youtube)のANNnewsCHにあったニュースで見ることができるので貼り付けておくことにしよう。

 ということで、今回は簡単だが海流発電に関する話題を紹介した。報道を見ると淡々と伝えている感じがしないでもないのだが、結構順調に計画が進んでいるようにも思えるし、数年後にはかなり期待できるエネルギーとして注目される可能性もある気がするので、また続報があったら紹介してみたいと思う。

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2017年7月 4日 (火)

奄美大島のウニがいなくなった!?

 なんとなくブログネタを探していたら、また「(いつもあるのに)今年になってなくなった」というパターンをひとつ見つけた。

 7月2日掲載の「「まったく採れない」ウニ漁解禁日に嘆き 奄美大島北部」という記事は、地元の南海日日新聞でのニュース。

 記事によると「奄美大島北部の海岸では漁師らが素潜り漁を行う姿が見られたが、昨年とは比較にならない不漁」と書かれていた。

 このニュースに出てくる、奄美大島のウニは「シラヒゲウニ」という種類なのだそうだ。正直なところウニというと北海道や東北のイメージしかなかったのでWikipediaでシラヒゲウニの項目を見てみたところ「沖縄では食用のウニと言えばこの種である」と書かれていた。

 奄美大島も沖縄に近いところだから同様に食用としてウニ漁が以前から行われいるようで、「以前は初日だけで4、500個は簡単に採れたが、徐々に減って昨年は100個で今年は8個だけ」と奄美大島の地元漁師さんが話をしているらしい。

 それにしても、昨年は減ったと言っても初日で100個だったのが今年は8個だけ、というのは激減というより「ほとんどいなくなった」言ってもいいくらいだと思う。

 また、沖縄でも激減していて数年前から禁漁にしている、という話もあるようで、2年前の沖縄タイムズに載った「シラヒゲウニ禁漁に 沖縄北部5漁協「ウミンチュ以外も取らないで」」という記事も見つかった。

 この沖縄タイムズの記事には「シラヒゲウニの漁獲量は1973年に県全域で1875トンあった。高価格で取引されるようになってから乱獲され、漁獲量は減少の一途をたどり、直近の2013年はわずか2トンに落ち込んだ」と書かれていた。原因のひとつは乱獲のようだ。

 でも「資源回復策として禁漁を続けているが、回復の兆しは見えないという」とあるように、単に乱獲だけが原因でなく、他にも環境の変化など様々な要因がからんでいるかもしれないと思うが、どうだろうか。

 ということで、今回は奄美大島や沖縄で激減しているウニに関するニュースを紹介した。こういった「急になくなった」という話は、ブログでは昨年の琵琶湖のハスや先月の多摩川のアユなどを取り上げたが、全国各地で似たようなことが起きているのは本当に気になるところだ。

 また似たようなニュースを見つけたらブログで紹介してみたいと思う。

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2017年6月 9日 (金)

琵琶湖ハス消滅の調査結果

 前回のブログで、多摩川のアユ遡上数が急激に減少したかもしれない、という話を紹介したが、「急になくなった」というと昨年話題になった琵琶湖のハスの話を思い出す。ということで、昨年の「琵琶湖のハスがなくなった」という話がその後どうなったか調べてみることにした。

 調べてみると、つい最近専門家による調査結果などがまとまった、という報道があったことがわかった。YOMIURI ONLINEに載っていた「琵琶湖のハス消滅、生育環境の再生は「不可能」」というタイトルを見ると「不可能」という言葉が気になる。

 具体的に記事を読んでみると、「ハスが好む湖底の泥の層が減って砂地が増加」「底泥のメタンガス濃度が高まった」などが原因で、「従前の生育環境を再生することは不可能」ということらしい。

 ちなみに、昨年の11月にブログで消滅の原因について取り上げた際には「原因は土壌環境の悪化」「40年以上に渡って湖底にハスの葉や茎が積み重なり、土壌内が酸欠になっていた」としていたが、「土壌環境の悪化」「酸欠」という部分が、今回より具体的に「泥の層が減って砂地が増加」「メタンガス濃度が高まった」と原因が突き止められた形になっている。

 その上で「再生は不可能」と言っているのだから、仕方がないというしかない。地元ではハスの再生を願っているだろうと思うがが、記事の最後に「自然生態系に新たなかく乱を生じないよう、大がかりな現状改変は避けるべきだ」とあるように、ここは自然の摂理に任せるしかなさそうだ。

 ただ、別の記事で、京都新聞のサイトにあった「琵琶湖ハス消滅「復元不可能」 専門家報告書、粘土層が消失」の記事を見ると、最後の方に「生育環境のモニタリング調査など試験的な対策の必要性を指摘した」「今回の調査でより詳細なデータを得た市は「ハス再生に向け、関係機関と対策を検討していきたい」としている」など、以前の状態にするのは不可能としても、何らかの形でハスを復活させる努力を続けていく意向があることが書かれていた。

 ということで、今回は琵琶湖ハス消滅に関する話題になった。前回の多摩川アユの話もそうだが、今回のハスも、ある年に急に増えたり、しばらくすると急に減ったり、ということを繰り返すのが自然なのかもしれないので、自然を壊さないようにしながら焦らず気長に再生・復活の努力を続けてもらいたいと思う。

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2017年5月25日 (木)

あと100年で他の惑星へ移住???

 前回TIME誌に載っていた記事を紹介したが、今回は同じTIME誌(May 22, 2017号)で気になった別の話を紹介しよう。気になったのはTIME誌に書かれていた次の文。

「100 Years that theoretical physicist Stephen Hawking predicted humans have left to fine another planet to live on, before global warming renders Earth uninhabitable」

 直訳すると「理論物理学者のホーキング氏が、温暖化で地球が住めなくなる前に(移住できる)他の惑星を見つけるために残された時間は(約)100年だと予測した」となるだろうか。

 この文に書かれていたのは断片的な情報だけだったので、もう少し調べてみると、「Stephen Hawking Says Humans Have 100 Years to Move to Another Planet」という記事の中でもう少し詳しく説明されていた。

 この記事によると、ホーキング氏が夏に放送予定のBBCの番組「Stephen Hawking: Expedition New Earth」の中で語ったことだ、と書かれていた。

 要するに、夏に放送する番組を最近収録した際に出てきた内容の一部が事前に報道された、というか番組宣伝のために使われた、という感じのようだ。

 もう少し調べてみると、実はホーキング氏は以前も「他の惑星への移住が必要」という話を度々しているようで、例えばCNNのサイトには、昨年の記事で「あと千年で地球壊滅、惑星コロニーへ移住を ホーキング氏」という話題が載っていた。

 この時は「地球という惑星が壊滅する確率は当面は極めて低いかもしれないが、時が経つにつれて可能性は高まり、1000年あるいは1万年たてばほぼ確実になる」と予測したらしい。

 まあ、「地球という惑星が壊滅する確率は、、、1000年あるいは1万年たてばほぼ確実になる」と言ったのが、記事のタイトルでは「あと千年で地球壊滅」と書かれていることに念のため注意しておこう。

 だから、今回の話は「これまで1000年と言っていたのが、100年と短くなって、より一層危機感が高まった」という雰囲気が醸し出されている感がある。「実際に何て言ったかは、夏のBBCの番組で!!」ということのようだが、なんとなくこれまでと同様のことを繰り返し主張しただけ、という気もしないでもない。

 でも、より一層の危機感を持つべき、ということを伝えるのに、具体的な年数を利用する、という考えは悪くないかもしれない。

 ということで、今回もTIME誌で見つけた話題をネタにした。それにしても、去年まで「1000年」と言っていたものを、今年急に「100年」としたのは思い切ったことをしたように見えるが、番組の宣伝を兼ねているかもしれないので、ここは冷静に考えていくべきかと思う。

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2017年5月15日 (月)

今年も郵便配達員の災難

 昨年の5月25日のブログで「郵便配達員の災難」という話題を紹介した。これは、アメリカで郵便配達員が配達中に犬に襲われた件数をを公表した上で、犬の飼い主に注意喚起を促している、という話題だった。

 その件数が今年も発表された。英文雑誌のTIME April 24, 2017号によると、アメリカで1年間に郵便配達員が犬に襲われた件数は「6,755」件。残念ながら昨年よりも200件以上も増えてしまった。(昨年は6,549件)

 具体的には「U.S. Postal Service Releases Annual Dog Attack City Rankings」のページに述べられている。都市ごとの数値で見ると、今年はロサンゼルスの「80件」が最多。2番目のヒューストン「62件」は昨年の「77件」から若干減ったが、ロサンゼルスは昨年の「56件」から大幅増となってしまったようだ。

 昨年よりも悪い結果となったからか、このページに書かれている内容も、

「Even good dogs have bad days」(よい犬でさえ、悪い日もある)
「Dog bite prevention training and continuing education are important」(犬の噛み付き事故防止のためのトレーニングや継続的な教育が重要)

など、昨年よりも少々きつめの表現が目立つ気がする。また、アメリカ獣医師会(American Veterinary Medical Association)では「National Dog Bite Prevention Week®」というキャンペーンを毎年実施して、注意喚起をしているそうだ。

 このキャンペーンのページを見ると、郵便配達員だけでなく、アメリカ全土で「犬に噛まれる人は1年で約450万人」など、深刻な事態になっている状況を訴えている。

 ということで、今回は昨年紹介した郵便配達員が飼い犬に襲われている現状を訴える話題の続編を紹介した。毎年この時期に行われるキャンペーンに合わせて統計が公表されるようなので、来年も減ったかどうかまた確認してみたいとおもう。

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