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2016年3月21日 (月)

BSD予想について調べてみた

 今回は「数字の国のミステリー」の第4章の話題から。

 第3章で紹介されている懸賞問題は「バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想」、略して「BSD予想」と呼ばれている問題。これは、バーチスウィンナートン=ダイアーの2人よって提唱された予想だから、こう呼ばれている。

 ということなのだが、この2人のことをWikipediaで見てみたが、(今日までの段階では)残念ながら日本語のページを見つけることはできなかった。確かに、日本ではあまり聞かない名前かもしれない。

 英語のWikipediaには2人を紹介するページがあった。2人ともイギリスの数学者で、ケンブリッジ大学・トリニティ・カレッジに接点があったそうだ。トリニティ・カレッジといえば、あのニュートンがいたところで、昨年の夏に訪れていた(「ケンブリッジ(Cambridge)出張」)ことを思い出した。そういった天才・秀才が集まるところで、1960年代に予想されたものが懸賞問題となっている。

 で、この問題についてだが、とりあえず、Wikipediaを見てみても、正直なところ難しすぎてさっぱりわからない。ただ、本の第4章にそれなりに紹介してあるので、そっちの方を見てみると「楕円曲線」というのもが載っている。

 「楕円曲線」とは、楕円のことではなく、次の画像(パブリックドメイン)ような、左に突き出していたり飛び出していたりするような複雑な曲線のことを指している。

533pxellipticcurvecatalog

 で、本では、このような中で

y2=x3-43x+166

という数式で与えられる曲線上で、ある一定の法則に従ってx座標、y座標がともに整数になる (x,y) の組を探してみると、

(0,0), (3,8), (3,-8), (-5,16), (-5,-16), (11,32), (11,-32)

と有限個しか見つからないことがわかるそうだ。ある一定の法則、というのはここでは説明しないが、なんとなくイメージがわく人もいるかと思ってイメージ画像(パブリックドメイン)を貼り付けておこう。

Ellipticgroup

曲線上の点に対して和や定数倍の計算法則を定義して、それに従って考えるらしい。

 で、この問題に対する本のコメントを引用すると(BSD予想は)「楕円曲線に無数の分数点があるかどうかを判別する手段の有無が問われている」と書かれていた。

 さっき書いた数式で言えば、とりあえず座標が整数になっている7個の点が見つかったが、それ以外に座標が整数や分数になる点があるかどうかは、この法則で探してもわからない。

 だから、これだけでは「座標が整数や分数になっている点が無数なのか、それとも有限個なのか」あるいは「どの程度分布しているのか」という問いには答えてくれない。そこで、このBSD予想の出番になるらしい。なんだか、素数の分布に関わる「リーマン予想」と雰囲気が似ている気もする。

 ということで、今回はBSD予想について調べてみた。ちなみに、この本をもう少し引用すると「そんなことどうでもいいじゃないか、とおっしゃる方もおいでだろうが、とんでもない。」と書かれていた。

 まあ、確かに私自身も「楕円曲線と呼ばれるものの上に整数や分数の点がいくつあるか」と言われても「別にいくつかわからなくったっていいじゃないか?」と正直思う。ただ、本では「楕円曲線」が最新の暗号理論に大きくかかわっている、という話が紹介されている。

 だから、本では、この予想が解かれてしまうと「これらの暗号が解けるようになるかもしれない」から、どうでもいいと無関心でいてはいけない、と言いたいようだ。

 ただ、幸い、と言っていいかどうかわからないが、この予想はかなりの難問のようで、今のところ解決の見通しがたっていない現状のようだから、それほど心配はなさそうだ。

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