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2015年4月11日 (土)

friendship paradox(フレンドシップ・パラドックス)

 今回は数学のネタにしようと思ってScience Dailyの数学ニュースのページを覗いてみると、今朝の段階で最新(といっても4月6日の話題だが)のものは「Extraversion may be less common than we think」という話題だった。

 タイトルを直訳すると「みんなが考えているほど、外向性というのは一般的なものではないかもしれない」という感じだろうか。

 Source(情報の出所)には「Association for Psychological Science=心理科学の学会・研究会」とあるので、数学には関係がなさそうな気もしてしまうが、そうではない。

 本文を見てみると「friendship paradox(フレンドシップ・パラドックス)」という言葉がある。Wikipedia(英語)の項目を見てみると

most people have fewer friends than their friends have, on average

と書かれていた。直訳すると「平均で見ると、大部分の人々が持っている友人の数は、彼らの友人が持つ友人の数よりも少ない」ということになるだろうか。

何だかわかりにく感じだが、Wikipediaには、さらに「各々の友人数の平均」が「各々の友人の友人数の平均よりも小さい」という事実が数学的に説明されている。

 面白そうな感じの話なのだが、少々わかりにくかったので、わかりやすく説明している文章を探してみると、ニューヨークタイムズの「Friends You Can Count On」というタイトルの記事を見つけることができた。

 それによると、Facebookの統計では、世界のFacebookユーザーの友人(friend)数の平均は190なのに対し、各々のユーザーの友人の友人数の平均は635だったそうだ。

 何故同じじゃないのか?と疑問に思うかもしれないが、これは数学的に説明された「friendship paradox」の具体例の1つで、数学的には全く問題ない。

 と言われても納得がいかない気もするからか、ニューヨークタイムズの記事には、友人数の話とはちょっと違うものの、もっとわかりやすい例を使って、この事実を説明している。

 それを紹介すると、例えば、ある先生が「学生90人の授業」と「学生10人の授業」の2つの授業を担当していたとする。このときに、この先生に「あなたの持っている授業の学生数の平均は?」と質問したら

(90+10)÷2 = 50人

と答えるだろう。一方、この先生の授業を受けている合計100人の学生それぞれに「あなたの授業には何人の学生がいますか?」と質問したら

90人の学生が「90人」と答え、
10人の学生が「10人」と答える

から、学生が受けている授業の学生数の平均を全学生の回答を元に考えると

「90」と答えたのが90人(「90」を90人分加える)
「10」と答えたのが10人(「10」を10人分加える)
この合計を全学生の人数「100」でわる

という計算になるため、その結果

(90×90+10×10)÷100 = 82人

という値が導ける。ここでは「先生に聞いたときに答える平均」よりも「全学生の回答を元に計算した平均」の方が大きい。

 これと同様の事が、「各々の友人数の平均」の計算と、「各々の友人それぞれに「友人数は?」と尋ねたときの回答を元にした平均」の間でおこるというのが、この「friendship paradox」ということになるようだ。

 ということで、今回は数学の話題を一つ紹介してみた。こんなことも数学的に考えることができる、というのが何となく気に入った。

 要するに、友人に「友人の数は?」と尋ねたとき、自分自身の友人数より多い数値だったとしても、全く気にする必要はない。それは数学的な事実「friendship paradox」の話であって、別に自分が友人よりも内向的だという訳ではない。こんなことが数学で説明できるというのが、何だか面白い。

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