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2013年12月26日 (木)

論文ねつ造・データ改ざん

 先週の日本経済新聞を眺めていたら、「ノバルティスを刑事告発へ 厚労省、誇大広告の疑い」というニュースが目に入った。

 結構前の話になるが、スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)の元社員(5月に退職)が高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)の効果を調べる5大学の臨床研究に関与し、このうち3大学で血圧値などの統計解析などにデータの操作があった、という問題について、この不正なデータに基づく論文を利用した広告が「薬事法が禁じる誇大広告に当たる可能性がある」として、厚生労働省が刑事告発に踏み切ったらしい。

 そういえば、この問題に限ったことではないが、最近研究データの改ざんとか、論文のねつ造などといったニュースを度々目にしていた。例えば、7月くらいの新聞には、確か東京大学で分子細胞生物学に関する研究論文にデータ改ざんやねつ造と判断されるものが多数あった、という話題があったように思う。

 理系の研究ばかりでなく、文系の研究論文でも、例えば10月には早稲田大学で、他者の文献から無断に盗用してねつ造した論文で取得したとされる博士号の取り消し処分を行っている。(博士学位取り消しについて

 この話題は、12月20日の朝日新聞・教育欄に書かれていた「コピペねつ造、論文にあらず」という記事にも載っていた話で、早稲田大学では、この手の処分は開学以来初めてのことだったらしい。

 何だか研究論文といえども、こんなものかと思ってしまうが、そんな中、今回の最初に紹介した記事は、データ改ざんや論文ねつ造が元々の問題だが、刑事告発されるのは「誇大広告の疑い」という薬事法違反容疑に関する話で、データの改ざんの問題自体が告発される訳ではない点が少々気になった。

 また、文献の無断盗用による論文ねつ造だと、もしかしたら著作権法などに違反するのかもしれないが、研究論文というのは広告や本などとは少々異なる扱いを受けているのか、「論文の取り消し・撤回」と判断されれば、それ以上何かの罪に問われることはあまりない気がしてしまう。

 確かに、意図せずミスをした場合もあるため、そんなときには「ミスをしたため論文に書かれている結果を撤回する」という話は通用するだろう。しかし、恣意的な改ざんやねつ造はミスではないのだから、それも同じような扱いになっているのが現状だと考えると、こういった改ざんやねつ造をする輩をゼロにすることは難しいと言わざるを得ないと思うのは私だけだろうか。

 一方、今回紹介した朝日新聞・教育欄に載っていた記事には、大学病院などで行われている臨床試験の不正防止などを目的として設置されている「大学病院医療情報ネットワーク」の話も書かれている。これは、医学関連の研究者同士の相互チェックも可能にする世界初の試みだと書かれているので、

 個人的には、悪意のある人が不正な情報をネットワークにインプットする可能性も否定することができないのだとしたら、この相互チェックがどの程度機能するかは未知数だと思う。実際、相互チェックが可能なネットワークだからといって情報の信憑性が保たれる訳ではないだろう。

 まあ、研究者同士のチェックなら、普通の人とは違う専門家なので信頼できると考える人もいるだろうが、その研究者の中に恣意的に改ざんやねつ造をする人がゼロとはいいきれないのだから、厄介な話である。

 ということで、今回は研究論文のデータ改ざんやねつ造に関する話題について書いてみた。これまでもいろいろ気にはなっていた話題ではあったが、今回初めてネタにしたので、いろいろ思うところも含めて文章を書いてみた。

 あんまりこういう話が増えるのはよくないことだが、現実には、データ改ざんや論文ねつ造の話題は今後もニュースに度々出てくるような気もするので、少し注目して見ていきたい。

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