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2013年12月

2013年12月30日 (月)

今年最後の更新

 今年の更新も今日で最後になってしまった。個人的には、昨年までと比較しても今年は忙しく、ブログの方もネタを探すのに追われる感じで書くことが多かった気がする。

 また、今年は夏に1ヶ月ほど過去の記事の再掲載という形でブログの新規更新を休むことにした。これだけ休んだのも初めてのことだったが、この再掲載を含めれば今年も4日ごとの更新を守ることができた。

 内容については、新聞や雑誌、インターネットで見つけたニュースに関する話題が圧倒的に多くなってしまい、7月最初に「今年前半のブログの内容」を書いたが、結局1年を通して自分のことに関する話題は少なくなってしまった。

 実際、前半の1月から6月までは、少ないと言っても10回ほど自分のことに関する話題を書いていたが、7月以降の後半ではさらに減ってしまい、

ハワイへ出張
滝のような非常に激しい雨に遭遇
車を買い替え
大阪マラソンに参加
今年の秋山行

の5回しかなかった。しかも、このうち2つは7月で、後は9月、10月、11月にそれぞれ1回ずつだけ。それだけ、自分のことに関するネタがなかったということである。

 ニュースのネタが増えたと考えれば別に悪いことではないのだが、自分のことに関するネタがあるときは、その分ブログに取り上げるニュースのネタを絞ることができるので、個々のネタに関してより深く調べることができるメリットがあったりする。

 それ以外のネタも少なく、例えば辞書で言葉を調べて書いたのは、今年1年を通してみても

「近い」「遠い」の意味
「ふだん」を広辞苑で調べると
「疲れ」を英語にすると

の3回しかなかった。

 あと、今年の後半新たに毎月ブログの報告をしてみた。毎月の報告にも書いていることだが、毎日アクセスがあるのは嬉しい限りで、ブログを続ける励みにもなる。(アクセスして下さった皆様、ありがとうございます。)

 ということで、今回は、今年のブログの中でニュース以外のネタについて簡単に振り返ってみた。正直なところ、この手のネタの数が非常に少なく、本当に簡単に振り返っただけになってしまった。こういった話題が今年は少なくなってしまったのは反省するべき点だろう。

 また、来年も4日ごとに更新予定だが、来年は、ネタの種類というか幅をもっとひろげて行きたいと思う。

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 最後に、ブログを読んで下さっている皆様、本当にありがとうございます。来年も同様のペースで更新を続ける予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。皆様、良いお年をお迎えください。

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2013年12月26日 (木)

論文ねつ造・データ改ざん

 先週の日本経済新聞を眺めていたら、「ノバルティスを刑事告発へ 厚労省、誇大広告の疑い」というニュースが目に入った。

 結構前の話になるが、スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)の元社員(5月に退職)が高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)の効果を調べる5大学の臨床研究に関与し、このうち3大学で血圧値などの統計解析などにデータの操作があった、という問題について、この不正なデータに基づく論文を利用した広告が「薬事法が禁じる誇大広告に当たる可能性がある」として、厚生労働省が刑事告発に踏み切ったらしい。

 そういえば、この問題に限ったことではないが、最近研究データの改ざんとか、論文のねつ造などといったニュースを度々目にしていた。例えば、7月くらいの新聞には、確か東京大学で分子細胞生物学に関する研究論文にデータ改ざんやねつ造と判断されるものが多数あった、という話題があったように思う。

 理系の研究ばかりでなく、文系の研究論文でも、例えば10月には早稲田大学で、他者の文献から無断に盗用してねつ造した論文で取得したとされる博士号の取り消し処分を行っている。(博士学位取り消しについて

 この話題は、12月20日の朝日新聞・教育欄に書かれていた「コピペねつ造、論文にあらず」という記事にも載っていた話で、早稲田大学では、この手の処分は開学以来初めてのことだったらしい。

 何だか研究論文といえども、こんなものかと思ってしまうが、そんな中、今回の最初に紹介した記事は、データ改ざんや論文ねつ造が元々の問題だが、刑事告発されるのは「誇大広告の疑い」という薬事法違反容疑に関する話で、データの改ざんの問題自体が告発される訳ではない点が少々気になった。

 また、文献の無断盗用による論文ねつ造だと、もしかしたら著作権法などに違反するのかもしれないが、研究論文というのは広告や本などとは少々異なる扱いを受けているのか、「論文の取り消し・撤回」と判断されれば、それ以上何かの罪に問われることはあまりない気がしてしまう。

 確かに、意図せずミスをした場合もあるため、そんなときには「ミスをしたため論文に書かれている結果を撤回する」という話は通用するだろう。しかし、恣意的な改ざんやねつ造はミスではないのだから、それも同じような扱いになっているのが現状だと考えると、こういった改ざんやねつ造をする輩をゼロにすることは難しいと言わざるを得ないと思うのは私だけだろうか。

 一方、今回紹介した朝日新聞・教育欄に載っていた記事には、大学病院などで行われている臨床試験の不正防止などを目的として設置されている「大学病院医療情報ネットワーク」の話も書かれている。これは、医学関連の研究者同士の相互チェックも可能にする世界初の試みだと書かれているので、

 個人的には、悪意のある人が不正な情報をネットワークにインプットする可能性も否定することができないのだとしたら、この相互チェックがどの程度機能するかは未知数だと思う。実際、相互チェックが可能なネットワークだからといって情報の信憑性が保たれる訳ではないだろう。

 まあ、研究者同士のチェックなら、普通の人とは違う専門家なので信頼できると考える人もいるだろうが、その研究者の中に恣意的に改ざんやねつ造をする人がゼロとはいいきれないのだから、厄介な話である。

 ということで、今回は研究論文のデータ改ざんやねつ造に関する話題について書いてみた。これまでもいろいろ気にはなっていた話題ではあったが、今回初めてネタにしたので、いろいろ思うところも含めて文章を書いてみた。

 あんまりこういう話が増えるのはよくないことだが、現実には、データ改ざんや論文ねつ造の話題は今後もニュースに度々出てくるような気もするので、少し注目して見ていきたい。

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2013年12月22日 (日)

Anger Management(6秒待つ?)

 今年もあと10日をきり、日本の学校の多くはそろそろ冬休みに入る頃だろうか。ブログではあまりとりあげなかったが、今年も学校に関する話題やニュースがたくさんあった。その中でも大きなものの1つが教育現場での体罰の問題であった。

 大阪・桜宮高校のバスケットボール部で体罰による指導を受けた生徒が自殺した事件が起きたのは、今からちょうど1年前になる。具体的には、2012年12月22日に体罰による指導を受け、その翌日に事件がが起きた。

 それ以来、体罰による指導の是非を含め、学校での指導のあり方が様々なところで議論されている。そんな中、先週の朝日新聞に「6秒待って体罰防ごう」という記事が載っているを見つけた。

 その記事によると「カッとなったとき、反射的にたたいたり、暴言を吐いたりしないで、6秒待つ。すると冷静になって、本当に伝えたい言葉が出てくる」と書いてある。

 さらに、その後を読むと、これは「アンガーマネジメント(怒りのコントロール)」と呼ばれる米国生まれの手法だ、と書かれていた。私の不勉強で、始めて見る言葉だったが、何故「6秒」なのか、ということが気になったので少し調べてみることにした。

 米国生まれのものと書かれていたこともあるので、こういうときには日本語で調べずに英語で調べるに限る。実際、インターネットで調べると、Wikipediaに「Anger management」の項目があるのをすぐに見つけることができた。ちなみに、今日の段階では、日本語のWikipediaにはアンガーマネジメントのページは見当たらないようだ。

 Wikipediaのページには「Anger management is training for temper control and is the skill of remaining calm.」と書かれていた。直訳すると「アンガーマネジメントとは、気分をコントロールするためにトレーニングで、平穏を保つためのスキルのことである。」ということになるだろうか。

 また、そこには「An anger management course」と題して、アンガーマネジメントのセミナーの様子を写した写真が掲載されていた。これは、米国海軍の兵士への講義の写真のようで、パブリックドメインの画像らしいので、このブログにも載せておくことにしたい。

320pxthumbnail

 さらに調べて行くと、今度はアメリカ海軍の「NAVY and MARINE CORPS PUBLIC HEALTH CENTER」の中にある「ANGER MANAGEMENT」のページを見つけることができた。

 その中の「Anger control and management tip 3: Learn ways to cool down」に怒りをしずめるための方法が、例えば「Take some deep breaths.(何回か深呼吸)」「Stretch or massage areas of tension.(緊張しているところのストレッチやマッサージ)」「Slowly count to ten.(ゆっくり10数える)」などと簡単に書かれていた。

 要するに、「落ち着け」ということのようだ。別に、大したことではなさそうだが、いざ怒りが出たときに落ち着くためには、こうする必要があるということは理解できる。また、このページには、怒りをしずめる方法だけでなく、様々な情報が載っていたが、結局どこを探しても「6秒待って」ということが具体的に書かれていなかった。

 他にもいろいろ調べてみたが、結局、今回は、何故「6秒」なのか、という点を知ることはできなかった。というか、アメリカ海軍のところだと「Slowly count to ten.(ゆっくり10数える)」と書かれていたし、別に6秒じゃなくても、要するに「少し待って落ち着け」ということが理解できていればいいことがわかった。

 それを、ある人が、「6秒」は怒りの衝動が収まる時間の目安、と言っているだけで、新聞記事のタイトルにしてしまうのはどうかと思うが、学校現場に限らず、どういった場面でも「怒りが込み上げてきたときには、ちょっと間をあけて落ち着くのを待つ」ということに注意する、という教訓は実践できるかもしれない。

 ということで、今回は、体罰指導による自殺の事件からちょうど1年たったこともあり、体罰防ごう、と書かれた新聞記事について調べてみた。

 念のため、最後に一言付け加えておくと、落ち着いて考えても本当に怒るべきと判断した場合は、(体罰は当然ダメだが)しっかりとした口調で怒ることも必要だと個人的には考えている。

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2013年12月18日 (水)

最近のブログ報告(2013.11-2013.12)

 最近、この時期に毎月恒例な感じになってきたが、今回は最近1ヶ月のブログの報告を行いたい。

 まず、最近1ヶ月のアクセス状況は次のようになった。

Access_131112

 これまで、ずっとアクセス数が徐々にアップしていたが、今回は先月と比較すると少しダウンした。また、訪問者数の日平均も若干下がったが、それでも毎日アクセスがあり、訪問者数の日平均は「15」もあった。(アクセスして下さった皆様、ありがとうございます。)

 次は、毎月のパターンだとアクセスのランキングの話になるのだが、今月はアクセス数が多かった日のランキングを見そこねてしまった。実は、ココログランキングというのは、1週間前までしか確認出来ないことになっているようで、今回一番アクセスが多かった11月20日(アクセス数「46」)のランキングを見ていなかった。

 正直なところ、先月の最高が11月10日のアクセス数「113」で、ランキング順位は「7587位」でこれまでの最高だったが、今月はそれより低いのは確実なので、順位は見なくてもよかったかな、と思っている。

 あとは、検索語だが、先月までと同様に、「Yahoo!Japan」で検索してみた。すると、本日2013年12月18日現在で、「南極 巨大氷山 誤訳の可能性」で「最近現れた南極の氷山」が、「21世紀への階段 科学の躍進 現実的な話」で「53年前から見た現在」が、「米食品医薬品局 PGS FD&C法」で「アメリカ食品医薬品局(FDA)からの警告」が、「東ロボくん ネーミング 安易」で「「東ロボくん」模試に挑戦」が、「PISA2012 言い過ぎ」で「PISA2012の結果」が、「世界一寒い 地点 ドームアーガス」で「世界一寒いところ」が、それぞれトップに現れた。

 何とかトップになる検索語を見つけることはできたが、今回は検索でトップになる検索語を見つけるのに少々苦労した。

 実のところ、私はできるだけ小さな目立たないニュースを取り上げたいと思っているので、「この話題はあまりネット上で取り上げてる人が少ない」ということの目安の一つに、検索を使っている。そういう意味でいうと、トップになる検索語を見つけるのに苦労したということは、ここ1ヶ月にとり上げたものはネット上でそれなりに広く話題になったものだった、とも言えるかもしれない。

 個人的には、苦労せず、直ちにトップになる検索語が見つかると「やった。これは、ネット上であまり話題になっていないネタだった」とひそかに喜んでいるのだが、ここ1ヶ月はそうでもなかったのが少々残念だった。

 ところで、毎月報告に使っているアクセス数と訪問者数のグラフだが、これはココログの「アクセス解析」という機能を使っている。今月、このアクセス解析がリニューアルされたのだが、現在はこれまでのものとの並行運用期間で、年内には全てのユーザー・ページに対して反映が完了し、計測できる状態になる予定らしい。

 私も新しいアクセス解析の方を見てみたが、これまでのものと随分違って、使い方もよくわかっていない。ただ、来年からは新しい方に変わってしまうので、これから年末にかけて徐々に慣れていって、来月からは新しい方でブログの報告ができるようにしたい。

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2013年12月14日 (土)

世界一寒いところ

 天気予報では、今週末はこの冬一番の寒さになるそうだ。朝早く出かけようとしたら、車のフロントガラスのところも凍っていたり、いよいよ冬本番、といったところだろうか。

 そんな中、数日前に「南極でマイナス93度を観測、最低気温を更新」というニュースを見つけた。記事によると、南極でマイナス93度という、とてつもなく寒い気温になったときがあったらしい。

 具体的には、「衛星で記録されていた過去の地表温度を調べていたところ、2010年8月に南極でマイナス93度まで気温が下がったことが明らかになった」と書かれていた。

 これまでに最も低かったのは、同じく南極にあるロシアのボストーク基地で、1983年に観測されたマイナス89.2度だった、ということで、約4度ほど記録が更新されたことになる。

 ちなみに日本では、公式記録ではないようだが、北海道の幌加内町母子里というところで1978年にマイナス41.2度を記録したことがあるそうだ。また、この地域では普段でもマイナス30度以下になる日もしばしばらしい。

 私は経験がないが、聞いたところだと、マイナス30度くらいにもなると、顔の水分がビリビリと音をたてて凍っていく感じになったりするそうで、雪も結晶のまま降ってくるらしい。寒さはそうとう厳しそうだが、雪が六角形の結晶のまま降ってくるところなんて一度見てみたい気がする。

 そんな寒さも凄いと思うが、南極のマイナス93度というのは、想像を絶する寒さに違いない。実際にはどんな場所なのだろうか。

 他にもいろいろ気になったので、このニュースの元ネタを調べてみると、衛星の記録からわかったこと、ということもあって、NASAが発表したもののようであることがわかった。

 アメリカの時間で12月9日にNASAのWebサイトに掲載された「NASA-USGS Landsat 8 Satellite Pinpoints Coldest Spots on Earth」という記事がそれだ。タイトルを直訳すると「ランドサット8号が地球上の最も寒い場所を正確に特定」となるだろうか。

 ランドサット8号とは、アメリカのNASAが打ち上げ、アメリカ地質調査所(USGS)が運用する人工衛星で、Wikipediaによると「地形や土地被覆の把握、土地利用計画の策定や災害対応への支援、 気候変化、炭素や水の循環、生態系などの分野の研究で、観測データを利用」を主な目的としているそうだ。

 今回のNASAの発表によると、ランドサット8号の南極における観測結果を分析したところ、観測基地のドームふじとドームアーガスの間の地点で世界一の寒さになったようだと書かれていた。

 ここで、ドームふじとは、南緯77度19分、東経39度42分、標高3810mにある南極の東にある高原地帯にある日本の観測拠点である。また、ドームアーガスは、ドームAとも呼ばれ、南緯80度22分、東経77度21分、標高4093mにある中国が設置した観測所らしい。

 もう少し、具体的な場所は、NASAが公開した画像を見るとわかるようになっていた。NASAが提供する画像は基本的にパブリックドメインなので、このブログにも貼付けておこう。

Coldestplacerecords

 ちょっと小さくてみにくいが、この画像によると、2010年8月10日にドームアーガス寄りのところでマイナス93.2度を記録、また最近の2013年7月31日にはドームアーガス付近でマイナス93.0度を記録したと書かれている。

 さらに、もう少し調べてみると、今回報道されているのは、衛星の記録から判明した地表の表面温度がマイナス93.2度だった、ということで、実際に温度計で測ったものではないらしいこともわかった。

 1983年のボストーク基地は、実際に観測して89.2度だったそうなので、こちらは表面温度ではなく「気温」だ。だから、正確には、気温が93.2度だったかどうかは今のところわからないらしい。

 ただ、NASAの画像を見ると、1983年に最低気温を記録したロシアボストーク基地もこの近くなので、やはり地球で一番寒い地点はこの辺りのようだ。こういうことがあると、こんな極寒の地でも温度計で気温を測りに行く人たちが出てくるに違いない。

 そうすると、実はもっと寒い記録が出るかもしれない。もうしばらく、寒さのニュースも目が離せない感じになりそうである。

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2013年12月10日 (火)

PISA2012の結果

 先週の12月3日、経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施したPISAの結果を発表した、というニュースがあった。PISAというのは、「Programme for International Student Assessment」の略で、日本語では「学習到達度調査」と訳されている。

 世界のOECD加盟の65カ国・地域の15歳約51万人を対象に行われたものだが、ニュースによると、日本は前回の2009年と比較して結果が上昇したらしい。具体的には、毎日新聞の記事を引用すると、

『「数学的リテラシー」「読解力」「科学的リテラシー」の全3分野で改善し、順位でも数学が7位、読解力と科学が4位』

だったそうだ。この結果について、文部科学省では「少人数教育の推進やゆとり教育からの脱却、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)などの取り組みの成果」などと言っているらしい。また、毎日新聞には『V字回復』などと書かれているが、本当にそんなによくなったのだろうか。

 こういうときには、やはり直接2012年PISAの結果が公表されているWebページを見たくなる。見てみると、このページには、全体のテスト結果の他、各国それぞれに焦点を当ててテスト結果をまとめた文書もあり、日本の結果も日本語で公開されている。

 その文書を引用すると、日本の結果は次のように書かれていた。

『日本は、数学的リテラシーにおいて 7 位、読解力と科学的リテラシーにおいて 4 位であり、統計的に考えられる順位の範囲は、数学的リテラシーにおいて6~9位、読解力において2~5位、科学的リテラシーにおいて3~6位である。』

 日本で報道されているのと違うのは、「統計的に考えられる順位の範囲」が書かれている点だ。例えば、数学は日本は7位だが、実際には6~9位は差がない、ということだ。

 ちなみに、前回の2009年は、数学の日本の順位は9位だったが、統計的に考えられる順位の範囲は8~12位だったそうだ。こうしてみると、2つくらい順位が上がったところで、別に前回と大差ない、というようにも見える。

 また、「数学」の統計的に考えられる順位に含まれる国・地域を並べてみると、

2012年:6~9位
マカオ、日本、リヒテンシュタイン、スイス

2009年:8~12位
スイス、日本、カナダ、オランダ、マカオ

で、スイスやマカオとともに、今回(2012年)は前回(2009年)のレベルを維持することはできた、という見方が正しそうな気がする。

 実際、今回の日本の結果についてOECDがまとめた文書を見ると、前回の8位から4位に上昇した「読解」について『2009 年から 2012 年間に統計的に有意なレベルで向上している』と述べているだけだ。

 こうやってみると、日本で報道されているような『全3分野で改善』『V字回復』はちょっと言い過ぎで、そんなに手放しに喜ぶような結果とまでは言えないように思えるが、どうだろう。

 ということで、今回は先週公表されたPISAの結果について書いてみた。まあ、何となく「本当にそんなに良くなったの?」という疑問に基づいて文章を書いてみたが、ここ10年来の学力低下に歯止めがかかった、ということは言えると思う。

 これが文部科学省が言っているような取り組みの成果かどうかはわからないが、順位がちょっと上がったくらいで一喜一憂せず、学力低下に歯止めがかかったと認識しつつ、今後の向上に努力していく必要がありそうだ。

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2013年12月 6日 (金)

「東ロボくん」模試に挑戦

 今から約1ヶ月ほど前、ブログに「大学入試が変わる?」の文章を書いたとき「人工知能ロボットに代ゼミの模擬試験の問題を解かせるらしい」という話を書いた。

 今から2週間ほど前になってしまったが、その結果が出たらしい。11月24日の読売新聞に、「センター模試の偏差値は45」「約7割の私立大学でA判定を獲得」などと書かれていた記事が載っていた

 その記事によると、模擬試験に挑戦した人工知能ロボットは「東ロボくん」というらしい。多分、東大合格を目指すロボットだから、という意味なのだろうが、何とも安易なネーミングだ。

 その「東ロボくん」は、「人間が日常的に使う言葉を理解し、複雑な問題を解くことが目標。具体的には2016年度までに同センター試験で高得点をあげ、21年度までに東京大の入試合格を目指している」ということのようだが、今回は最初の腕試しとして、大手予備校「代々木ゼミナール」が作成した英語、数学、国語などセンター模試と、東大文系、理系向けの数学模試に挑戦したそうだ。

 その中で、センター模試は偏差値45だったようだが、何と東大数学模試では、得意の計算力を発揮し、偏差値60前後の好成績を収めた、と記事には書かれていた。

 へぇー、という感じの結果だが、もう少し具体的に「どう解いたのか」ということについては書かれていなかった。そこで、もう少しインターネットでこのことについて調べてみた。

 探してみると、J-CASTニュースというサイトに「数学の偏差値が合格者平均上回る! 東大合格目指す「ロボット」が快挙」という記事があるのを見つけた。そこには、例えば「文系数学は偏差値59.4、理系数学は61.2」などと、もう少し具体的なことが書かれていた。

 また、どう解いたか、という点についても載っていて「例えば歴史では、プログラムに教科書の情報をまるごと組み込み、それをもとに問題を解く。数学では、プログラムに組み込まれた日本語をコンピューターの言語に訳すための辞書を用い、日本語の質問を数式に変換して問題を解く。」などと書かれていた。

 歴史は教科書の情報を丸ごと組み込み、というのは、要するに内容丸暗記、というか全部詰め込み、という感じだが、数学はさすがにそうはいかず、ちゃんと日本語の質問を数式に変換して問題を解いているようだ。

 まあ、もともと数学自体が、コンピュータの思考にある程度マッチしている、ということもあるだろうが、人工知能がちゃんと数学の問題を解くことができるようになった、というのは何となく凄いことだと思ってしまう。

 また、代ゼミの担当者のコメントも載っていて「「東ロボくん」は論理的な問題が多ければ高得点を叩き出せるが、不得意分野には全く歯が立たない。まだまだ対応できる問題とできない問題に差があるため、いつでもこんな成績が出せるわけではないという。」と書かれている。

 正直なところ、人工知能が「論理的な問題が多ければ高得点を叩き出せる」というのも頼もしい感じがしてしまう。あとは、これが大学入試問題を解くためだけに作られた人工知能なのか、それとも別のことでも解くことができるのものなのか、ということも気になるが、今回はそこまではよくわからなかった。

 実際、別の教科書の内容を同じプログラムに組み込むと別の問題が解けるのか、とか、大学入試だけじゃなく別の範囲の数学の問題は解けるのか、とか、いろいろと気になるところだ。

 ということで、今回はここまでになってしまったが、まだこのプロジェクトは始まったばかりのようだから、これからの発展を期待したい。その上で、今後いろいろなことがわかってきたら、またブログに取り上げてみたい。

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2013年12月 2日 (月)

アメリカ食品医薬品局(FDA)からの警告

 ブログのネタを探すために新聞を見ていたら、先週11月27日の朝日新聞にあった「遺伝子解析 中止を警告」というタイトルの記事が気になった。

 記事によると、「米食品医薬品局(FDA)は25日、個人向け遺伝子解析の米国最大手「23アンドミー」(本社・カリフォルニア)に対して、糖尿病など約120の病気のリスクを判定する遺伝子解析サービスを中止するよう警告したことを明らかにした」とある。

 この会社、英語で「23andMe」といい、IT大手Googleの共同設立者らが出資して作られた会社だそうで、「2007年以降、唾液に含まれるDNA配列のわずかな違いを分析、糖尿病や乳がん、心臓病などの120の病気のリスクのほか、筋肉のタイプなど計250項目を判定している」と記事には書かれている。

 私は知らなかったのだが、何だか凄いことしてる会社があったようだ。中止を警告した理由は、要するに、検査の信頼性に問題がある、ということらしい。ただ、新聞記事には、具体的に何が問題なのかについてはあまり触れられていなかった。

 そこで今回は、このことについて少し調べてみることにした。とりあえず、Wikipediaに「アメリカ食品医薬品局」というページがあったので、見てみると、FDAとは「Food and Drug Administration」の略で、「保健・福祉省(Department of Health and Human Services; DHHS)に属する連邦政府機関であり」「食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関である」と書かれていた。

 日本では、これらの所轄官庁が厚生労働省や農林水産省、経済産業省など複数にまたがる形だが、アメリカでは、このFDAで一元的に管理している、という点もWikipediaには指摘されていた。要するに、アメリカの市場に出回る様々な食品や医薬品等を監督する官庁で、大きな権限や強制力を持っている機関、ということのようだ。

 何となく組織のことがわかったところで、次に米食品医薬品局(FDA)のウェブサイトを探してみた。そこを見ると、「Warning Letters」というリンクがある。

 そこには、これまでFDAの規制に引っかかると思われることをしている会社の実名と、そこの代表者へ送った「Warning Letter(警告の手紙)」のリストが書かれている。アメリカでは、こういうときには、会社の実名と、送った手紙の全文を全世界に公表しているようだ。

 ページを見たのは昨日なので、12月1日現在だが、一番上(最近)にあったのが、「23andMe」という会社へ送った警告の手紙だったので、早速見てみることにした。

 手紙の冒頭で、FDAは23andMeのCEO Ann Wojcickiに対して次のように述べている。

The Food and Drug Administration (FDA) is sending you this letter because you are marketing the 23andMe Saliva Collection Kit and Personal Genome Service (PGS) without marketing clearance or approval in violation of the Federal Food, Drug and Cosmetic Act (the FD&C Act).

 直訳すると、「Federal Food、DrugとCosmetic法(FD&C法)に違反して販売認可あるいは承認なしに23andMe Saliva Collection KitとPersonal Genome Service(PGS)を市場に出しているため、食品医薬品局(FDA)はこの手紙を送っている。」となるだろうか。

 この中で、「Personal Genome Service(PGS)」という言葉が手紙の中で随所に見られるし、直訳すると「個人用ゲノム(遺伝子情報)サービス」となるので、このPGSが新聞に載っていた病気のリスクを判定する遺伝子解析サービスらしい。

 手紙は、かなり細かい法律の条文と思われる数字が随所に見られるが、要するに23andMeという会社が法律的な手続きを怠ったか、あるいは手続きに必要なデータを揃えることができなかった、ということが書かれているようだ。例えば、次のような文面がある。

To date, 23andMe has failed to provide adequate information to support a determination that the PGS is substantially equivalent to a legally marketed predicate for any of the uses for which you are marketing it; no other submission for the PGS device that you are marketing has been provided under section 510(k) of the Act, 21 U.S.C. § 360(k).

 それ以前の引用していない文を考慮して訳すと、「現在までのところ、23andMeが市場で述べているPGSの使用(病気のリスクの判定)に対して、(これまで)合法的に出回っているものとほとんど同じ程度の判定が可能ということを立証するための適切な情報を、23andMeは提供できていない。具体的には、PGSの市場提供に関して、法律(21 U.S.C. § 360(k))の項目510(k)の下で求められている情報の提示は全くない。」ということになるだろうか。

 もう少し手紙を見てみると、実際には2012年7月2日と2012年9月4日に、510(k)で求められている情報を提出したらしい。ただ、FDAはそれを不完全なものと判断し、2012年9月13日、2012年11月20日でさらなる情報を求めたが、23andMeはそれを提出しなかったため、2013年3月12日と2013年5月21日の手紙で、23andMeに「Consequently, the 510(k)s are considered withdrawn(従って、提出された510(k)は取り下げられたと考えられる)」と書いたそうだ。要するに、23andMeが提出した情報が却下された、ということだろう。

 それで、手紙の結論は次のようになっている。

Therefore, 23andMe must immediately discontinue marketing the PGS until such time as it receives FDA marketing authorization for the device.

要するに、「23andMeは(現時点では許可できないため)許可するまではPGSの市場提供を中止しなければならない)」ということである。

 ここまで手紙を読んでみたが、何となく、アメリカは自由な国だから、こういうことはよくあることなんじゃないのかな、という印象を受けてしまった。実際、FDAのWarning Letterのページには、かなりたくさんの手紙が相手先の実名入りで公開されている。

 それがこうして日本でもニュースになったのは、IT大手Googleの共同設立者らが出資して作られた会社だった、という方に関心があったのかもしれない。実際、アメリカ国内ばかりでなく全世界に影響がありそうなGoogleが出資した会社だというだけで、無条件に信頼してしまう消費者も数多くいる可能性があるので、こうしたニュースを全世界に流すことは重要なことなのだろう。

 ということで、今回は新聞を見て気になったニュースを紹介した。久しぶりに新聞の小さい記事まで読んでみたのだが、今回は長い文章になってしまった。ただ、時間がとれるときには、こうした目立たないニュースをこれからも詳しく調べていきたいと思う。

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