Newton2013年12月号
しばらく、数学や科学系のネタを書いてないな、と思いながら書店で何となく雑誌を眺めていたところ、雑誌Newtonの最新号(2013年12月号)が目に留まった。表紙には「情報判断・意思決定の数学 統計の威力」などと書かれていて、何となく数学っぽいことが書かれてるような気がしたからだ。
ということで、実際に購入して読んでみることにした。すると、表紙に書いてあることもそうだが、それ以外にも、このブログでこれまで取り上げたことがあるネタがいろいろ記事になっていることに気がついた。
そこで、今回は、以前ブログで取り上げたことを思い出しながら、Newtonの2013年12月号の記事の紹介でもしてみることにした。
まずは、表紙にある統計に関する話から。この記事の中には、統計の役割として「身のまわりの現象からデータを集め、データが何を意味しているのかを一目でわかるように示すこと」と「未知の結果を推定すること」とある。
その例として最初に出てくるのが昨年のアメリカ大統領選挙の予測。この話は、このブログでも2013年1月28日に「統計的な解析による指標」というタイトルで取り上げたことがあった。
また、そのとき同時に取り上げた「ワインの質の指標」の話も、今回のNewtonに載っている。この話、前にブログに書いたときには、ワインの質の計算方法を紹介した。今回のNewtonでは、それとちょっとだけ違うが、「ワインの価格」の方程式、というのが載っていて、次のようになるそうだ。
ワインの価格=
前年の10月から3月の雨の量×0.00117
-8月9月の雨の量×0.00386
+4月から9月の平均気温×0.616
+ワインの年齢×0.02358
-12.145
この他に、今回のNewtonの中で面白いと思ったのは、フランスの数学者アンリ・ポアンカレが、毎日通っていたパン屋さんで買った「1kgのパン」の重さを毎日測って、1年後に「重さの分布をグラフにすると、950gを頂点とした正規分布が現れる」ことに気がついた、という逸話。
どうも、パン屋の主人は、少しくらいバレないだろうと思って、50g少ない量を基準にしてパンを焼いていたらしい。この手の偽装は今に始まったことではない、ということだが、パンの重さを疑って毎日毎日欠かさず重さを正確に測って、データを使って偽装をつきとめたポアンカレも、よくここまでやったな、と感心してしまう。
ところで、今回紹介しているNewton2013年12月号には、当然だが、統計のこと以外にもたくさん記事が載っている。その中で、このブログでも取り上げたことがあるものが3つほどあったので、それを紹介しよう。
ひとつは「温暖化は95%以上の確率で人間の活動が原因」という記事。これは、2013年9月29日に「温暖化に関するIPCC報告書」のタイトルでブログに書いたことに関連すること。
次は「一流プロ棋士と対等に渡り合える将棋プログラムを開発」。これは、将棋の電王戦の話で、ブログでは「将棋の電王戦に向けて」「将棋の電王戦が終わって」で書いたことに関連する内容だ。
もう一つは「ボイジャー1号太陽圏を脱出」。これは、2013年9月21日に「先週の科学ニュース」の中にブログで書いた。ただ、そのとき書いたときに見た新聞記事の内容に少々ミスがあることが、今回のNewtonを読んでわかった。
というのは、Newtonを読むと「太陽から吹き出す太陽風が届く範囲を太陽圏とよぶ」とかかれているが、「太陽系」とは書かれていない。実際、この記事を読むと「太陽系の範囲」が何をさすか、ということについては諸説あるらしく、「太陽風が届く範囲」は脱出したが、まだ「太陽の重力が及ぶ範囲」内ではあるらしい。だから、Newtonでは太陽系という言葉は使わずに、「太陽圏を脱出」と書いてるようだ。
ということで、今回は、雑誌Newtonの最新号を見たら、ブログでとり上げたことがある話が結構載っていたので、それを紹介してみた。いつもブログのネタはその場その場の思いつきなのだが、関連することが載っていたりすると何となく嬉しい気分になる。
また、他にもNewtonには様々な記事が載っているので、また機会を見つけてブログでいろいろ取り上げていきたい。
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