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2013年10月 3日 (木)

アメリカの大学教育の現状

 最近、少々固い感じの話題が多い気もするが、今回もそんな感じになってしまいそうだ。というのも、何となくブログネタを探していたら、久しぶりに英文の週間誌のTIMEの記事が気になってしまったからだ。

 最近出た10月7日号(October 7, 2013)のTIME誌ASIA版の表紙には「JAPAN RISING」と書かれ、日本の自衛隊の戦闘機の写真が使われるなど、パッと見たところ何となく刺激的だったが、とりあえずこの話題はスルーして、今回は後半に方に書かれていた「The Class of 2025」と題された大学教育(Higher Education)に関する話題を紹介したい。

 まず記事の第1印象としては、最初に使われている小さな子供たちの写真と表題にある2025という数字、加えて

What should they know?
(子供たち=将来の大学生達 は何を知っているべき?)
What should they be able to do?
(子供たち=将来の大学生達 は何が出来るべき?)

という文があり、何となく「将来の大学教育のあるべき姿は?」という内容を想像した。

 ただ、中身をザッと眺めてみると、どちらかというと将来の話よりは「大学教育の現状」や「現在の大学生の実状」の話がメインのような気がする。まあ、現状を受けて「将来」について考える、という趣旨だと思えば、タイトル通りの内容だと言えるかもしれない。

 ということで、この話題を紹介したいのだが、英文を最初から読むのは少々しんどいので、とりあえず欄外にあるグラフやコメントを追ってみることにする。

 まずは、「The Price of College?」と題する、学費高騰をわかりやすく示したグラフ。それによるとアメリカの大学の学費はかなり高いようだ。公立大学の4年分の学費合計が平均$72,000=約720万円、私立大学の4年分だと平均$140,000=約1400万円、学費上位50大学だと$186,000=約1860万円となっていて、2025年までにさらに高騰することが予想されている。

 その一方で、欄外に書かれているコメントを眺めてみると、学費が高騰する割に大学生の質はパッとしない、という感じのようだ。例えば、欄外のコメントの一つに次のような文章があった。

83% ... Percentage of U.S. college graduates who did not know what the Emancipation Proclamation ordered, according to a 2012 study

直訳すると「2012年に行われた調査によると、アメリカの大学卒業生のうち83%が奴隷解放宣言が命じてたことが何なのか知らなかった」となるだろうか。

 まあ、日本では「奴隷解放宣言」と訳されるため読めば何が命じられたか一目瞭然だから「アメリカの大学生はそんなこともわからんのか?」と思うかもしれないが、要するに、「アメリカで解放宣言(=the Emancipation Proclamation)と言えば、何の解放を命じた宣言?」というアメリカ人としての常識を問う問題に対し、大学生のうちの83%が「奴隷」と答えられなかった、ということなのだろう。

 日本と同様にアメリカでも大学生の学力不足・常識不足が問題になっているらしい。

 また、以上のような話を受けて、後半は「Online learning will make ...」と題して、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学長(President)によるインターネットなどを通したオンライン講座の話題になる。

 後半の記事を要約してみると、オンライン講座は、学ぶ立場で見ると安い学費で効率よくフレキシブルに学習でき、教える立場で見ても教育の質向上に有効だ、とMITの学長が言っている、という話のようだ。

 これが12年後の大学教育のスタンダードになるかどうかは今のところわからないと思う。記事も手放しにオンライン講座をすすめている訳ではないように思えるが、比較的に学費が安く済んで効率的となれば、必然的にこちらの需要が増す、ということだろうか。

 ということで、今回はアメリカの教育の話を取り上げてみた。念のために付け加えると、ここに書いたことは、あくまでもアメリカの「大学」教育の話である。たまに、こういった話を高校・中学校・小学校の教育と混同する人がいるかもしれないので注意してほしい。なお、今回のTIME誌の記事には高校・中学校・小学校の話は全く出てこない。

 今回も文章が少々長目なってしまったので、ここまでにしよう。また機会があったら、アメリカの教育の現状も調べてみたいと思う。

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