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2013年3月 5日 (火)

将棋の電王戦に向けて

 年末、2012年12月23日のブログで簡単に触れただけだったが、コンピュータとプロの棋士が対戦する将棋の電王戦が、今月の後半から始まるようだ。少し前の新聞だが、2月18日の朝日新聞に、この電王戦のために出場棋士が集まって特訓をした、という記事があった。

 そこには、「練習は人間側の負け越し」「プログラムの判断力向上」などの文字が並び、雰囲気的に人間側が苦戦する感じを漂わせている。練習では、考えるための「持ち時間」が10分だけ(本番では4時間)という形で、コンピュータ有利の状況で対戦したようだが、それでも現在のコンピュータ将棋の実力は「プロの棋士でもじっくり考えなければ勝てない」というレベルらしい。

 まあ、このブログの「脳が活性化する箇所(2012年11月29日)」のときに書いたが、「プロ棋士が持つ直観的思考回路は特別なものではなく、素人でも地道な訓練によって養われる」ということがfMRIの測定による脳の神経回路の分析で科学的に示されているようなので、コンピュータ将棋がプロ棋士に匹敵するレベルに達したとしても不思議ではないかもしれない。

 ただ、(これも11月29日のブログに書いたことだが)その脳の調査のときには「将棋の大会で上位の成績の人には賞金が出る」という前提の元で将棋の素人の人が訓練をした結果を分析したものである。一方コンピュータのプログラムは、当たり前だが、賞金目当てではなく、純粋に勝つために将棋に取り組むようになっている。

 また、人同士の対戦の場合、もしかしたら、ある程度の流れが形成された段階で(その瞬間の将棋の盤面とは別に)勝敗の判断を暗黙のうちにしてしまうことがあるかもしれないが、コンピュータのプログラムはそんな思考はしないだろう。

 他にも、かつてチェスの世界チャンピョンが始めてコンピュータに破れた際の敗因の分析の中で「人間は疲れて判断力が鈍ることがあるが、コンピュータは疲れない」といった話があったような気もする。あと、「最後まであきらめない」という点もコンピュータの特徴の一つかもしれない。

 これらを野球で例えると、技術・センスが一流のプロ野球選手やメジャー・リーガーが、一流の監督と同様に様々な状況に対応できる判断力を持ち、さらに高校野球の選手のように最後まで諦めずに全力でプレーしている、という感じだろうか。

 そんな相手と指しで勝負する人は、さぞかしやりにくいだろうと思う。ただ、そんな中でも、コンピュータ・プログラムは人間が作るものだから、実は人間的な要素があって、たまにはミスをおかすことがあったりするかもしれない、などと期待してしまう。

 そう考えると、個人的には、勝負そのものよりも、プロ棋士がコンピュータのミスを誘うような一手を打てるかどうか、という点に注目するのが面白いような気がする。

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