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2013年1月28日 (月)

統計的な解析による指標

 今年に入ってからも、昨年と同様それほど新聞等では大きくとり上げられていない話題を見つけて文章を書いている。まあ、そう毎日私が個人的に気になるものが見つかる訳でもないのだが、「今度これをブログのネタにしよう」と思うことはしばしばある。

 しかし、ブログでとり上げるのは結局はその一部だけになってしまうので、中には書かずにほったらかしになってしまう話題も出てくる。そうしているうちに、いつのまにか気になったこと自体を忘れてしまうのだが、今回はたまたま思い出した話題があったので、それについて書いてみることにした。

 2ヶ月半以上も前の話になるが、2012年11月に行われたアメリカの大統領選挙の際に、ネイト・シルバーという人が、統計的な手法を使ってアメリカ全50州の選挙の勝敗(民主党のオバマと共和党のロムニーのどちらが勝つか)を的中させた、という話(WIREDの記事)があった。

 さらによく見ると、この人は実はその前の2008年のアメリカ大統領選挙でも同じ手法で選挙の勝敗を的中させたことで一躍有名になった、ということで今回は2回連続的中させたことになる。

 なんだかすごい話なのだが、ちょうど11月の頃は、実のところブログで「数学考えると頭痛?」の話を書いた後、ずいぶん前から何となく気にしていたドコモ通信障害がまた起こったことを書いてみたり、10kmマラソン参加の報告をしたりしているうちに、大統領選挙のことを忘れてしまっていた。

 それを思い出したのが、朝日新聞の「ひと」の欄に、このネイト・シルバー氏が紹介されていた2週間前だったが、今度もハーフマラソンの参加報告やセンター試験のことなどを書いているうちに忘れてしまうところであった。

 まあ、話を元に戻すと、この人のように統計的な手法で様々な事柄の予想は最近よく行われているらしい。「その数学が戦略を決める」という文藝春秋から出ている本には、そのようなことがいろいろと紹介されていて、例えば最初には、ワインの質の指標に関する話が載っている。

 この本によると、統計的に解析して得られたワインの質の指標は次のように計算できるらしい。

ワインの質=
12.145+0.00117×冬の降雨
+0.0614×育成期平均気温
−0.00386×収穫期降雨

 数値が細かいのでわかりにくく見えるが、要は育成期平均気温が高い方がワインの質がより向上し(プラスになり)、雨は冬に降ったものは若干プラスに働くものの収穫期の雨はマイナスになる、という感じだろう。統計的にこれらの要素を解析した結果、この式にあるような非常に細かい数値が算出できたようだ。

 そんな式なのだが、本には「伝統的なワイン批評家たちはこの式を受け入れていない」と書かれている。数学っぽい話への拒絶反応は日本だけでなく世界共通なようだ。

しかし、このワインの質の式を提案したオーリー・アッシェンフェルターという人が、1989年、1990年と2年連続で「ワインの質は今世紀最高だ」ということを、ワインが出来る前に(気象条件だけを用いた)この式で予想し、見事的中させた。

 こんなことがあっても、未だに専門家はこの式を受け入れたくはないようだが、その彼らも今では気候に注意を払うようになって、最近は大きな間違いはなくなったらしい。

 このワインの話、今回紹介した大統領選挙の話に非常によく似ている。実際、今回の大統領選挙の勝敗予想でも、多くの政治評論家がネイト・シルバー氏の予想を批判していたそうだ。だから、2回とも勝敗を的中させた後も政治評論家は文句を言うだろうが、次回以降はナンダカンダ言いながらも実は予想は皆同じ、という感じになるのかもしれない。

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