« 今年のセンター試験 | トップページ | 統計的な解析による指標 »

2013年1月24日 (木)

大学の教育が変わる?

 学校教育に関する話題は、ここ1年の間でもいじめや体罰など深刻なニュースが多い。さらに、これらは日本だけの問題ではなく、例えばアメリカでは銃規制に関する話題がニュースになるなど事態はさらに深刻である。

 そんな中、それほどインパクトがないからか、あまり話題になっていないような気がするが、大学の教育現場での話題を先週や今週の新聞で少し見かけた。前回のブログでセンター試験のことを調べたこともあってか少々気になったので、今回は影に隠れがちな大学の教育に関する新聞記事を2つほど紹介することにした。

(1)
先週、「中退防げ、大学への処方箋」という記事があった。内容は、「どう指導すれば、(大学の)学生は積極的に学ぶのか」ということを研究しているNPO法人がその成果を発表した、という話である。それによると、カリキュラム等の改革が進む5つの大学では「どう教育すれば学生が学ぶかを理解している」「学生の成長に常に目を配っている」「目指す大学像、学生像が具体的で明確」「改革を進める強いリーダーとやる気あるスタッフがいる」という4つのポイントがあり、その中で学生のニーズを把握して授業を変えていくことが必要だ、と述べている。

 ちなみに、このNPO法人は「ニューベリー」という名前で、調べてみると、2002年3月に当時の慶応大の学生たちがボランティア団体として始まり、今は主に大学を中退してニートや引きこもりになってしまった人達の支援活動や、そうならないための提言などを行っているようだ。

(2)
次は昨日の新聞から、「東大 教える力底上げ 教員卵の院生向け講座」というタイトルの記事。それによると、「東京大が新年度(4月)から、大学教員への道を進む大学院生向けに、教育能力の向上を狙った授業を始める」と書かれている。また記事には「学生が講義中に集団で出て行ってしまうこともしばしば。講義を否定されているようで、教員を続ける自信を持てなくなっている」という大学の講師の人の話や「(大学の)教員の採用に際し、研究業績に加えていかに学生を惹きつける授業ができるかといった教育力を重視する大学が増えている」ということなどが載っていた。京都大や東北大などでは、教育力向上のプログラムがすでに設けられているらしい。

 さっきのNPO法人の話は、どちらかといえば学生の立場から見た「大学の授業のあるべき姿」ということになるようだが、こちらは大学の立場から「現在のニーズに合わせた大学教育の方法」などについて学んでいく形になるのだろう。PR用動画「東京大学 フューチャーファカルティプログラム」がYouTubeにアップされていたりして、東大はかなり本格的に取り組もうとしているようだ。

 これらの記事を見た私の率直な感想は「世の中変わったんだな」というところだろうか。まあ、今の時点は、学ぶ学生が多様化するのと合わせて大学も変わろうと努力を始めた、という段階だろうが、東京大・京都大・東北大などの主要な大学でこのようなプログラムが設けられるようになれば、結局それに対応できないところは淘汰される、という方向へ進んでいくことになるのかもしれない。

 あとは、この手の話題で気をつけるべきことは「宣伝にだまされてはいけない」ということだろうか。例えば、ここで出てきたNPO法人は文部科学省のWebサイトでも不登校やニート・引きこもりを支援している特定非営利活動法人と紹介されているので、大学と利害関係は特になさそうだから大丈夫だと思うが、変わるなら、大学の広告や単なる表向きの変化だけでなく、できるだけ正確に変化の結果を新聞等で話題にしてほしい。

--------

Copyright (c) 2013 ANADA, Koichi. All Rights Reserved.

« 今年のセンター試験 | トップページ | 統計的な解析による指標 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 今年のセンター試験 | トップページ | 統計的な解析による指標 »