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2012年8月

2012年8月29日 (水)

横川・軽井沢間の鉄道跡

 先日、軽井沢へ行く用事があった。その帰り道、ちょっと寄り道していこうと思っていたのだが、夏休みの後半だったからか渋滞が多い。そんな中、国道18号線の旧道方面は、通る車が比較的少なく渋滞がなかったため、この道を通って帰ることにした。

 また、この道に沿って、廃止された横川・軽井沢間の鉄道の跡地があり、今回はそこで撮った写真を載せることにした。

 まずは、廃線になった線路。

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ここは、横川と軽井沢の間にあった旧熊ノ平駅・熊ノ平信号所跡のところ。一枚目の写真は、明治時代に最初にできたトンネルの跡で、現在は遊歩道になっている。二枚目と三枚目は1963年および1966年に開通した新線。長野新幹線が1997年に開通するまで利用されていた。

 次は明治時代に作られた旧線の「めがね橋」というところ。正式名称は「碓氷第三橋梁」というらしい。

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 レンガでできたきれいな橋で、ここが最も人が多かった。ちなみに、新線の橋はここから少し離れたところにある。

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 横川方面へおりていくと「碓氷峠鉄道文化むら」というところがある。広くはないのだが、そこに旧線でかつて使われていた「アプト式」と呼ばれる歯車付きの線路が展示されている。

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 また、碓氷峠付近を再現した鉄道模型のジオラマもある。

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 そして、ここが現在の横川駅。

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 今はここが終点で線路が途切れていて、碓氷峠方面へ行くことはできない。

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 最後は、横川駅前にある「おぎのや本店」。

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せっかくここまできたので、国道沿いの大型店舗ではなく、駅前の本店で「峠の釜めし」を食べてきた。

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ということで、今回はここまで。次回更新から9月に入る。8月は仕事の関係でアチコチいろいろなところへ出かけることが多かったが、そろそろ気分を切り替える時期になったので、これから普段のペースに戻していくことにしよう。

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2012年8月25日 (土)

今年60回目の更新

 今年に入ってから、今回で60回目の更新となる。以前4月27日にブログの内容の傾向について書いたが、数えてみるとそれが今年に入って30回目だった。ということは、その次の5月1日から今回の8月25日で4日ごとに30回更新したことになる。

 その間、時には「更新ペースの維持(6月26日)」のためのつなぎ的な更新もあったり、仕事の関係(高校生の引率など)であちこちに行った関係で文章を書く時間がなくて写真紹介も結構多かったが、4日ごとの更新を続けることができてホッとしている。

 ところで、最近30回の更新のうち、仕事関係に関するものは、写真の紹介が

幸先はいいかな?(5月13日)
気まぐれな富士山(5月25日)
毎年行っている山へ(6月10日)
夏休みの登山(その1)(7月24日)
夏休みの登山(その2)(8月5日)
野球を見ていて思うこと(8月17日)

と、写真は載せていないが

熱中症予防のための情報(8月9日)

も、実は野球の合宿へ付き添いで行く前に熱中症予防に関する情報を集めて書いたものなので、これも含めて仕事関係のものが計7回ある。

 また、このブログに関することや以前のネタの続きなどが

プラス・マイナス・0(5月17日)
意外と上位に現れる?(5月29日)
私にあった携帯利用法(6月2日)
25000を超えました(7月12日)
夏休み直前の時期(7月16日)
今年60回目の更新(今回)

の計6回で、休みの日に撮った写真や趣味の話などが

今年も近所で(5月1日)
何に見える?(6月14日)
ちょっと休息(6月18日)

の計3回であった。こうやって見ると、最近30回のうちの16回は、以上のような個人的なネタになったようだ。

 あと、残りの14回は、

・ニュースや新聞などから

プラス思考になるかな?(5月5日)
スーパームーン(5月9日)
成功したのに...(5月21日)
多摩川のアユの数(6月22日)
更新ペースの維持(6月26日)
前回の話題にまつわること(6月30日)
うるう秒による障害(7月4日)
H24・学力テストの結果(8月13日)

・本、辞書、インターネットなどから

IT発展の歴史を素数で繋ぐ(6月6日)
連続な線(continuous line)(7月8日)
「自覚」を広辞苑で調べる(7月20日)
(本の紹介)数学は最善世界の夢を見るか(7月28日)
(本の紹介)不可能、不確定、不完全(8月1日)
回文数の性質(8月21日)

という感じとなっている。

 個人的なものと新規のネタがだいたい半々、ということで、毎回思いつきでネタを考えているわりにはバランスはよかったようだ。いろいろなところをアチコチ見ながら興味のある話題を探していた結果なのだろうが、飽きずに更新するうちに、無意識のうちにそれなりにバランスを保っていたのかもしれない。

 単純計算だが、今年は閏年で366日あるので、4日ごとの更新を続ければ1年で91回から92回程度の更新となる。ということは、今年も残りが1/3ほど。ブログの更新だけではないが、残りもペースを維持しながら、いろいろと取り組んでいくことにしよう。

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2012年8月21日 (火)

回文数の性質

 今日は2012年8月21日。西暦の下二桁と月日を並べると「12821」となるが、これは前から読んでも後ろから読んでも同じ数になっている「回文数」である。

 しかも、この「12821」は1とこの数以外に約数を持たない素数になっていて、こういった数は「回文素数」と呼ばれている。

 ということで、この数値を使って何か書いてみようと思っていたのだが、いつものように過去の出来事などを調べてみても面白いことが見つからなかったため、今回は今日の日付にまつわる数値を使って回文数の性質をひとつ紹介することにした。

 その性質は「ある数と、それを左右反転させた数を足し合わせると回文数になることがある」というもの。例えば、「12821」は

11410 + 01411 = 12821

となっている。また、「12821」自身を左右反転させて足し合わせると

12821 + 12821 = 25642

で回文数ではないが、これを何回か繰り返すと

25642 + 24652 = 50294
50294 + 49205 = 99499

と、回文数となる。ちなみに、この「99499」は素数ではなく、素因数分解をすると

99499 = 29×47×73

である。さらに、左右反転して足し合わせていくと、

99499 + 99499 = 198998
198998 + 899891 = 1098889
1098889 + 9888901 = 10987790
10987790 + 09778901 = 20766691
20766691 + 19666702 = 40433393
40433393 + 39333404 = 79766797

と、やっぱり回文数が現れた。これも残念ながら素数ではなく、素因数分解すると

79766797 = 11×1297×5591

である。まだ続けることもできるが、ここまでやれば回文数の性質は理解してもらえたと思う。

 今度は数字を少し変えてみる。今日の日付の西暦を四桁含めて「2012821」としてみよう。これは、素数であるが回文数ではない。しかし、左右反転した数を足し合わせると

2012821 + 1282102 = 3294923

と、回文数になる。なお、これを素因数分解すると

3294923 = 17×19×101×101

である。

 こういった数字遊びのような性質は、私自身は結構面白いと思うのだが、もしかしたら「何のためにこんな面倒な計算をしているの?」などと思った人もいるかもしれない。まあ、数学というのはこういうものだ、と言ってしまえばそれまでかもしれない。ただ、今回の話を面白いと感じた人は、何か面白い性質を持つ数値の日付を探してみるのも面白いと思う。

 なお、次の回文素数の日付は「13331」、すなわち2013年3月31日にあたる。この日に合わせて、例えば「2013331+1333102」の計算をしてみたり、いろいろと楽しむことができるだろう。

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2012年8月17日 (金)

野球を見ていて思うこと

 昨日まで、高校の硬式野球部の合宿の付き添いで、茨城県の南東の端にあたる、旧・波崎町(現在は神栖市)へ行っていた。利根川を挟んで向かいには千葉県の銚子市がある。海に近いからか、普段から風がとても強いようで、それを使用した風力発電の風車がたくさん立っているところだ。

 ということで、まずは宿舎近くの風車、利根川沿いの田園風景、それと利根川から撮った夕日の3枚の写真を紹介しよう。

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 野球の練習の方は、雨が降った日もあったが概ね予定通り充実した練習を行うことができたと思う。

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 ところで、私自身は野球は素人で細かいことはよくわからないのだが、練習を見たり、いろいろと話を聞いたりしていると、野球は奥が深いスポーツだと感じることができる。

 例えば、野球の試合は2時間から3時間くらいかかることもあるが、実際にプレイするのはピッチャーが投球準備に入ってからの一瞬一瞬だけで、試合時間の多くは攻守交代などの待ち時間となる。しかし、その一瞬一瞬は、いつもピッチャーが同じ位置からボールを投げ始めるにもかかわらず、それぞれの状況は常に流動していて、それらの積み重ねによって試合が流れていく。

 また、サッカーのように点が入る可能性が高いチャンスのときにポイントゲッターのフォワードが必ずゴール近くに走り込んでくるような球技と異なり、野球の場合は選手全員が順番に打順に立つので、チャンスだからといって必ず打率の高いバッターを打席に立たせる訳にもいかない。

 さらに、野球は団体チームで行う競技だが、打席に立つのは一人だけなので、打席に立ったバッター個人の攻撃をチーム全員の守備で受けて立つという形で進行する。だから、攻撃の際は試合に出ている選手も含めてバッターとランナー以外はベンチなどから試合の進行を見る、ということになる。

 そういう制約があるなかで、選手は普段と異なる雰囲気の試合の中で練習通りのプレイができるように集中力を切らさないようする、とか、監督・コーチは選手の個性・コンディションや試合の流れを予想しながら適切な打順や守備位置などを考えるなど、実際のプレー以外の部分も重要になってくる。

 あと、これはどの競技にも共通していることだが、多くの部員は練習試合を含めて試合に出場できる機会が限られている。そうした限られた機会の中で、如何に結果を出すか、ということが各部員の課題となる。

 それ以外にも、いろいろな要素があると思うが、野球の場合、プレイの精度もさることながら、実際にプレイする一瞬のために普段の練習や生活の意識をどの程度高められるか、という点が最終的な結果を大きく左右させるに違いない。

 私ができることは見て応援することだけなのだが、高校生の部員たちには、個々のレベルに関係なく、意識を高めて目標に向かって努力して、自分たちに必要なものを是非つかんでもらいたい。

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2012年8月13日 (月)

H24・学力テストの結果

 今年の4月に小6と中3を対象に行われた「全国学力・学習状況調査」の結果が8月8日に公表された。通称「全国学力テスト」と言われているこの調査、国語と算数・数学に加え、本年度から理科を合わせて3科目のテストが行われた。

 この学力テストについて、大手の新聞(毎日・朝日・読売)がそれぞれ社説に意見を書いている。そこで、今回はこれら3つの新聞の社説を簡単にみてみることにした。

 最初は毎日新聞。8月10日に「調査のための調査では」というタイトルの社説を載せている。内容は、『「確認」が成果であっては、いかにも心もとない』『いわば学力問題の“症状”を整理したにとどまってはいないか』など、テスト結果の考察の意義に対する意見となっている。

 次は朝日新聞。8月12日に「政策に生かせる調査に」というタイトルの社説。こちらの方は『文部科学省はこの調査を、政策にどう生かすつもりなのか』『今回もふくめ5回の調査は、政策に役立っているのか』という感じで、学力テストが実際の教育政策に反映されていない、との意見である。

 もうひとつは読売新聞。8月10日に「指導方法の改善につなげたい」と題した社説。タイトル通り、内容も『テスト結果から課題をくみとり、指導方法の改善につなげていかねばならない』『文科省は、各教科で思考力や表現力を育むよう新学習指導要領などで求めてきたが、成果が上がっていないということだろう』と、結果と実際の現場とのつながりに関する意見となっている。

 こうやってみると、社説に書かれている意見や結論はそれぞれ違うようにみえるが、基本的には3誌とも「学力テストの結果が実際の教科指導に反映されていない」という点で一致しているようだ。

 また、「論理的に記述する問題の正答率が低い」「理科離れが進んでいる」などの考察結果は以前から指摘されていることだが、それを受けて、毎日の『(そのことの)「確認」が成果では心もとない』という意見や、読売の『文科省は思考力や表現力を育むよう求めてきたが、(その)成果が上がっていない』という指摘は的を射ているだろう。

 一方、論調についてはどうだろうか。個人的には、どの新聞も「論理的記述が弱い」「理科離れ」などの考察結果に対する危機感が表に現れていないのが残念に思う。

 例えば、理科離れについては読売はそれなりに扱っていて、『小学校教員は文科系の教育学部出身者の比率が高く...』『(それを補うために)小学校の「理科支援員」の継続を検討すべき』などと指摘しているが、内容をよく読むと、「廃止」と判断した民主党の政策批判をしているだけのようにもみえる。

 他にも、新聞記者の主な興味が政治や行政の方面だからなのか、毎日は「(予算を)他の施策に回してはどうか」、朝日は「政策に生かせ」など、結局は政治・行政の話になってしまい、学校現場の現状などの話はほとんどない。

 ということで、結局、今回も意味のある具体的な提言やインパクトのある報道はなく、ロンドン五輪の報道に隠れて小さく扱われるのみで、これまで通り学校現場に対応を任される形が今年も続くことになるのだろう。

 来年の全国学力テストは全校を対象として行われることになる。全校で行われることにより何かが変わるのだろうか。それとも、結局今年と同じことが確認されるだけで、代わり映えのしない考察や報道だけで終わるのか。

 まあ、とりあえずは、あまり期待はせずに自分のできることをこれまで通りやっていくしかなさそうだ。

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2012年8月 9日 (木)

熱中症予防のための情報

 8月7日は立秋で暦の上では秋になったようだ。東日本では、昨日と今日はそれなりに過ごしやすい感じの天候だが、まだまだ暑い日は続いている。そんな中、注意しなければならないのは「熱中症」。

 昨日の新聞の記事によると、5月下旬から今月5日までの熱中症による死者は49人にのぼるそうだ。よく「こまめな水分や塩分の補給が大事」ということはよく言われているが、最悪の事態にならないように、もう少し知識が必要な気がする。

 そこで今回は、私自身でもいつでも熱中症の情報を確認することができるように、このブログに情報へのリンクをしておこうと思う。

 まずは「環境省熱中症情報」のページ。政府のページなので、一般向けのリーフレットから会議の議事録まで、いろいろな情報が載っているが、ここには一般向けのリーフレット

熱中症ーご存じですか?予防・対処法ー
熱中症ー思い当たることはありませんか?ー

が直接見れるようにしておこう。

 次に、例えば部活動などで「熱中症予防のための運動指針」にも利用されている「WBGT」について。専門用語で言うと「湿球黒球温度」(別名「暑さ指数」)と何ともわかりにくい感じだし、測定にも専用の器具などが必要なので、この基準をどう利用すればいいのか、と考えてしまうかもしれない。

 そんなときには

各地点における暑さ指数の予報値、速報値

のページをみるといい。「暑さ指数」とは、「WBGT」の別名。すなわち、このページには、各地点における「WBGT」の値の他、その日の値の予報が載っている。さらに、下の方には丁寧に「熱中症予防のための運動指針」が書かれているので、屋外で活動をする必要がある日の朝にこのページをチェックしておく癖をつけるといいかもしれない。

ちなみに、これには携帯用のサイト

暑さ指数速報(携帯用)
今後の暑さ指数(携帯用)

もあるので、屋外から携帯で簡単にチェックができる。

 他に検索して見つけた資料のうちで役に立ちそうなものとしては、

レンタルのニッケン「安全ニュース」

というのがあった。ここには、運動ではなく、一般的な直射日光の当たる場所での屋外作業(工事現場など)とWBGTとの関係や、身につけている衣服の組み合わせによりWBGTに加えるべき補正値、などがわかりやすく示されていた。

 今回はきちんとした知識と正確な情報で熱中症の予防を、ということで、いつもとパターンを変えて熱中症について役に立ちそうな情報を集めてみた。あとは、日頃の疲れをとって健康管理を大切にしながら、この暑い日々を乗り越えていくことにしよう。

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2012年8月 5日 (日)

夏休みの登山(その2)

 夏休みに入って、高校生を山へ連れて行く機会がまたあった。今回は、遠出をして北アルプスの白馬岳周辺である。具体的な日程は、

(1) 大糸線の平岩駅(新潟県)から「蓮華温泉」行きバス乗車
(2) バス終点近くの蓮華の森キャンプ場で一泊後、白馬大池へ
(3) 白馬大池ほとりのキャンプ場で一泊後、小蓮華山・白馬岳へ
(4) 白馬岳山頂近くのキャンプ場で一泊後、雪倉岳・朝日岳へ
(5) 朝日岳山頂近くのキャンプ場で一泊後、再び蓮華温泉へ

という4泊5日の行程である。

今回は、そのときに撮った写真を紹介する。

まずは、2日目の白馬大池の写真。

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今年は冬が寒かった影響か、池の周りには雪が結構残っていた。この大池周辺には、自然に流れている飲用の「水場」がなく、周辺に残っている雪のきれいな部分をすくってきて、溶かして飲んでいた。

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次は、3日目。まずは、途中の小蓮華山山頂から、目的地の白馬岳方向を撮った写真。

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山頂の天候はよくないようで、雲がかかっている。ここから山頂までは徒歩で約1時間半だが、結局山頂では雲がかかったままだった。これは、標高2932.2mの白馬岳山頂の写真。

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その後、キャンプ場へ移動して、さらに周辺の別の山へ行った後、ようやく白馬岳山頂付近が晴れてきた。

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さらに、テントで一泊後、4日目の朝に、再び白馬岳山頂付近へ行き日の出を見る。

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その後、雪倉岳・朝日岳方面への縦走。

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この日は、朝日岳山頂は前日と同様に雲の中だったが、次の日の朝に再度朝日岳山頂へ行った際には晴れていてきれいな眺めが見れた。

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ということで、今回はここまで。結構長い期間山へ行っていたが、疲労は残っているものの、怪我もなく無事に帰ってこれてホッとしている。

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2012年8月 1日 (水)

(本の紹介)不可能、不確定、不完全

 今回紹介するのは「不可能、不確定、不完全(早川書房)」(2600円+税)というタイトルの本。内容をおおざっぱに言えば数学や科学・論理の限界について述べられている本でである。ただ、こう書いても、「何に対する限界なのか」がよくわからないかもしれない。その話をするために、早速この本の序章と第1章の内容をまずは簡単に説明しよう。

 序章には「修理に出した車はなぜ約束の日にあがってこないのか?」と題して、車の整備工場を例に「車の整備を効率よく済ませるために最適な方法は?」ということを数学的に考えている。また、第1章は「万物の尺度」と題して、無限のものを測る、というテーマの話が書いてある。

 この最初の部分の構成は、視点や内容は全く異なるものの、前回紹介した本の最初の部分(時を測るのため最適な形の振り子の話)と同様に「最適なものは?」「測るとは?」の2点がクローズアップされている。

 前回紹介した本との違いは、前回は近代科学の発展の歴史に沿って「最適なものを得る」「正確に測る」ことを述べていたのに対し、今回紹介する本は、論理的な考え方を中心にして「最適なものは得られない」「正確には測れない」ことについて書いている、と言えばわかりやすいだろうか。

 ということで、今回紹介する本で述べている「限界」とは主に「測ること」「最適なものを得ること」の2点と論理に関するものだと考えていいと思う。

 具体的な内容は、本のタイトルにある単語と対応させて「不可能性定理(第4部)」「不確定性原理(第1部)」「不完全性定理(第2部)」などとなっている。このうち、不確定性原理は計測の限界、不完全性定理は論理の限界に関する話で、結構いろいろなところでとり上げられているテーマだろう。

 また、この本には不可能な作図についての話も書かれているが,ここでとり上げている「不可能性定理」とは、そのことではなく、選挙などの投票に関わる社会科学の話である。具体的には、次の3つの条件
(1) 全員が他の人に影響されず、合理的に投票する
(2) 全員がBよりAの候補者を上位だと考えたら必ずAの方が投票結果で上位になる
(3) 敗者(下位の候補)がいなくなっても投票結果が変わらない
を全て同時にみたすような投票方法は存在しない、という定理である。

 ポイントは最後の条件(3)である。例えば「A、B、C」の3人の選挙でAが1位になるとして、負けたCをのぞく「A、B」の2人で決戦選挙をした場合もAが1位になるか、ということを考えるといい。この条件(3)は、それでもAが1位になる、ということを求めているが、実際にはCを支持する人の多くがAを支持しているとは限らない。(ここでは、単に順位のみを問題にして、例えばCに投票した人の割合などは考慮しないものとする。)

 この点を数学的に考察して証明された結果が「不可能性定理」である。これによると、「全員が他に影響されずに投票するとき、全員がAを上位だと考えている場合を除けば、3人の投票で1位になったAが2人の決選投票でも必ず1位になるような投票方法は存在しない」ということになる。

 また、逆に「AとBの2人で選挙をしたらAが確実に勝つような場合でも、全く勝つ見込みのないCも合わせてA、B、Cの3人で選挙したら、AとBのどちらが勝つかはやってみなければわからない」という話にもなる。

 ちなみに、この点は、前回紹介した本の後半に書かれている「共通善」という項目にも関連している。そこには「個人の利益を最適化することで集団はどうなるのだろうか?」という問いかけをした上で「メンバー全員が合理的だと仮定したとしても、皆が善いと考える共通善を定義することは十分難しい」ということが述べられている。

 今回紹介している本に書かれている「不可能性定理」は、前回紹介した本に書かれている「共通善」の定義の難しさを数学的に表現した定理のひとつで、社会科学の中で「最適なものは何か」という問題を考えることの難しさを示すものだろう。

 以上の話の他にも、この本には「プログラムの停止性問題」「相対論・ひも理論」「量子コンピュータ」「カオス」「エントロピー」など、様々な話題をとり上げている。だから、いっぺんに通して読めなくとも、興味のある部分のみだけでも、結構読み応えがあり勉強になると思う。

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