前回の話題にまつわること
前回は、正直なところ文章を書くために考える時間がなかったため、単に4日ごとの更新にこだわって、日付が変わる直前(だいたい夜の11時くらい)にとりあえず書いたものを載せてしまったが、やっぱり軽卒だったと思う。コメントでご指摘していただいた通り、好ましいことではない。読んでいただいた方には大変申し訳ないことをしてしまった。
(ただ、情報を文字・文章で書くスタイルは変えない方がいいかな、と思っています。ブログ自体、個人的な趣味で書いていることもありますので、この点についてはご容赦頂きたい。)
そこで、今回は、その反省の意味も込めて、後付けになってしまうが、前回の文章にまつわることを調べて書いてみることにした。
ということで、早速「クラウドコンピューティング」と「太陽光発電・電気自動車」というキーワードを使って検索してみたところ、「スマートグリッド」という、ちょっと気になる用語が現れた。
この用語、広辞苑第6版には残念ながら載っていなかったが、去年購入したiOS用アプリの大辞林には載っていた。それによると、スマートグリッドとは「電力の供給をITによって効率的に制御する送電網。次世代送電網。」と書いてあった。
Wikipediaにはもっと詳しく書かれていて、最初にアメリカの電力事業者が考案したもので、発電設備から末端の電力機器までをネットワークで結び合わせた上で、コンピュータにより電力需給バランスを調整するシステムらしい。ここで「末端の電力機器」の中には、ハイブリッドカー・電気自動車・家庭用太陽電池発電などが含まれるそうだ。
イメージとしては、例えば昼に陽が燦々とふりそそいでいるときには太陽光発電の電力を使うが、自然任せのシステムだと供給が不安定になるので、他の電力と合わせて安定した電力を供給する、という感じだろう。もう少し具体的には、例えばNTT Comunicationsのweb siteが参考になる。そこを見ると、太陽光や風力発電と、従来通りの発電システムや蓄電システムを組み合わせて電力需給バランスをコンピュータで調整する、という形のようだ。
こうやって見ると、スマートグリッドは「電力の安定供給」という点で一見優れているように思える。しかし、例えばコンピュータの制御に問題が生じた場合、先日のクラウドコンピューティングでの大規模障害と似たようなトラブルが起こらないとは限らない。だから、本当はコンピュータ制御などに頼らずに済む方が安定した形になるのでは、という考え方もあっていいような気もする。
そんなことを考えながら、前回の文章の<2>の太陽光発電パネルが搭載された船について改めて見てみたが、これは、船の航行・停泊全般の電力供給バランスもさることながら、(停泊中のみとはいえ)現状の技術でできる範囲で「排ガスを出さないエネルギーに置き換える」という考え方に基づいて作られたものだろう。
また、自動車の方も、ハイブリッドから電気自動車へと、「エネルギーを置き換える」という方向で進歩しているようだ。置き換えて制御システムに頼らずに済むようになってきたという意味で、電気自動車の方がハイブリッドよりも安定したシステムだ、と言えるかもしれない。
一方、スマートグリッドの方は今後どのように進歩していくのだろうか。自動車の進歩などを見ると「可能な限り供給エネルギーを置き換える」方向へ進むのが自然なような気はする。しかし、(技術的に置き換えられるようになっても)現状のバランスを維持するためにスマートグリッドのシステムが利用される可能性があるのでは、という疑問も残る。
正直なところ「電力の安定供給」という言葉の意味が曖昧な感じがするのが気になるが、その点も含めて、今後の進歩を注意深く見ていくことにしよう。
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コメント
たくさんのコメント、ありがとうございます。
文章をきちんと読んで頂けて、大変光栄です。
今後もよろしくお願いします。
投稿: 穴田浩一 | 2012年7月 1日 (日) 01時01分
いつも楽しく読ませていただいております。
これからもブログ更新がんばってください!
投稿: | 2012年6月30日 (土) 21時39分
やはりきちんとこのような
問題は考えていかなければならないようですね。参考になりました。
投稿: | 2012年6月30日 (土) 19時02分
とても興味深い内容で、
面白かったです。
投稿: | 2012年6月30日 (土) 19時01分
私も大辞林買いました。
必要ですよね。
投稿: コカイン | 2012年6月30日 (土) 13時56分