新しいデジカメ
今年に入って、パソコン(マック)など、いろいろなものをリニューアルして新しいものにしているが、最近また一つリニューアルした。8月に入ってデジカメで撮った写真をブログでよく使っているが、新しくしたものとは、そのデジカメである。
これまで使っていたものは「オリンパス C-40 ZOOM」という機種。発売は今から10年前の2001年。私が購入したのは2002年か2003年頃だったと思う。400万画素と、今では携帯のカメラよりも劣るが、販売当時は約10万円弱もするものだった。性能や使い勝手に特に不満がなかったことに加えて、昨年までは(デジカメに限らず)新しいもの自体に興味があまりなかったので、約8年から9年もの間使い続けていた。
ただ、最近動作が少しおかしくなってきて、さすがに買い替える時がきたと思い、先日近くの家電量販店に行き、そのときに最も安かった約8千円程度の「オリンパス VG-110」を購入。約1200万画素で、安いものなので特別な機能は特にない。
(左が「VG-110」右が「C-40 ZOOM」)
単純に比較すると、10年前の画素数で約3倍のものが1/10以下の値段で買える、ということになるのだが、この差について少し思うところがあったので、今回はデジカメについて書いてみることにした。
この2つを比べてみて、私の率直な印象は「10年たったのに、こんな程度しか変わってないの?」という気持ちである。まあ、10年前に「(当時は高画質だった)400万画素クラスで世界最小・最軽量」という当時の先端機種と、現在最も安く売られている機種を比較するのは多少無理があるかもしれない。ただ、最も安い機種といっても、顔認識の機能もついているのなど、10年前のものよりも性能は当然いい。
それが1万円しない値段で買えるのだから、ずいぶん変わったではないか、という考え方もあるかもしれない。確かにそう言われればそうかもしれないが、その「変わった」という感覚が、例えばiPod touchを手に入れたときに感じた「新しいもの」の感覚とは、かけ離れているような気がする。
また「だったら、何でそんな安い機種を買うのか?」という反論を受けてしまうかもしれない。しかし、正直なところ私自身はカメラ自体に興味がある訳ではない。例えば、撮った写真をフォルダに分けて管理する機能すらなく、本当に写真を撮るだけのものなのに、1万円近くしてしまうのは何となく納得がいかない、というのは言い過ぎだろうか。
今は携帯電話などについているデジカメ機能でも事足りることが多く、さらにスマートフォンやiPod touchなどはハードウェアだけでなく、今後はソフトウェアの進歩も期待できる。カメラにはカメラ自体の性能の向上や機能の充実も必要かもしれないが、結局は「ものつくり敗戦」の本の話と同じように、「ソフトウェア」がカメラ自体の性能を凌駕して、最終的には専門家やマニア向けの高性能な機種以外はなくなってしまう、という方向へ進んでいるような気がする。
個人的には、携帯電話に何でもかんでも機能を詰めて一つにすればいい、とは思っていない。そもそも、機能によってニーズはそれぞれ違うはずなのだから一極集中にするのはよくない、というのが私の考え方なので携帯電話とiPod touchを使い分けていたりする。それに、特に携帯電話で困ることもないのに、デジカメを使うために携帯電話の機種を変える、などという選択を私はしたくない。
こういう考えの人がどの程度いるかは定かではないが、世の中にはいろいろな考えの人がいるのだから、カメラのメーカーの方も低価格のデジカメにも目を向けて、少しは進化させてほしい。
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