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2011年9月28日 (水)

「iCloud」への期待

 この秋から新しく始まることは何かないか、と考えていたとき、ふとAppleが宣伝している「iCloud」のことを思い出した。「クラウド・コンピューティング」というと、インターネット上にデータを保存して、どこからでも使うことができるようにするシステム、という漠然としたイメージは持っている。

 また、以前 google についてこのブログでも少し書いたように、私も今年に入って多少は使った経験もあるが、特に普段から使っている訳ではなく、何となく利用には一抹の不安もあったりする。

 ただ、この秋にApple が「iCloud」のサービスを開始するのに合わせて、私もMacBookProやiPod touchをもっと活用できればいいと思っている。そこで、多少でも不安が解消すればと思い、いつものように「クラウド・コンピューティング」という言葉を辞書で調べてみることにした。

 まずは広辞苑、と思って探してみたが、どこにも見当たらないようだ。巻末を見ると第六版第一刷の発行は2008年1月11日だが、この段階ではまだ「クラウド・コンピューティング」という言葉は辞書に載る存在ではなかったようである。

 一方、最近新しくなったOxford Advanced Learner's Dictionary 第8版には「cloud computing」という項目があり、次のようになっている。

・a way of using computers in which data and software are stored mainly on a central computer, to which users have access over the internet

直訳すると「インターネットを通じてアクセスする、主にデータやソフトウェアが保存されているコンピュータを利用する形態」という感じ。また、iPod touchのアプリ「大辞林」にも載っている。こちらは、多分アプリにしたときに新しい語として加えられたのだろう。引用すると、

・自分のパソコンやLANサーバーではなく、インターネット上に存在するサーバーを利用してデータ処理する形態。[特定のサーバーにアクセスするのではなく、複数のコンピュータからなる分散・並列型の巨大ネットワークにアクセスするため、システムがブラック・ボックス化するという弊害がある]

ということで、前半部分は英英辞典とほぼ同じ。辞書なので、どれを見ても同じ意味なのは当たり前なのかもしれないが、後半の追記部分も合わせてみても、面白いことが書かかれていないのが少し残念。まあ、最近は「広辞苑の中の数学」のような、「のどか」な雰囲気の記述には抵抗もあるのかもしれない。これも時代の流れなのか。

 しかし、専門的な方に偏るのも考えものだと思う。大辞林の後半部分には専門家が考えていると思われる弊害に関する追記があるが、そもそも、辞書でこの言葉を調べる多くの専門外の人にとって、コンピュータやネットワークのシステムがブラック・ボックス化することは果たして弊害と言えるのか。

 おそらく、この項目を担当した人は何か言いたいことがあったから書いたに違いない。ただ、こういう追記を付けるなら、専門外の人にもわかるように「ブラック・ボックス化によってどんな弊害があるのか」について、もう少し具体的に記述するべきだろう。

 辞書を見ると、つい書いてあることが気になってしまうが、話が本題から離れてしまったので、「クラウド・コンピューティング」に戻そう。結局わかったことは、「最近新たに出現したもの」ということくらいで、具体的な部分はよくわからないままだが、とりあえず「こうなっていてほしい」という私の漠然とした期待を最後に書いておくことにする。

 最初に書いた通り、私自身は何となく「インターネット」を通じてデータをやり取りする部分に一抹の不安がある。ただ Apple は、google などのように無料でユーザーを釣りながら広告や個人情報などで儲ける、という形の商売をする企業ではないので、既存の無料サービスとは少し違ったものになるのではないかと思っている。

 その形がどんなものなのかは、私には今のところよくわからない。特に、セキュリティや個人情報の扱いなどは気になるところだ。クラウド・コンピューティングに限ったことではないが、Apple は中途半端に世の中の流れに追随せず、Macの既存ユーザーを大事にしながら一歩先を目指す、という形が私にとって安心できる形なので、そういう路線を「iCloud」も継承していることを期待したい。また、そうであれば、これまでと同様に新しいものを受け入れることができるような気がする。

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