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2011年8月31日 (水)

前回資料の補足

 前回、正17角形の折り紙作図の手順をまとめた資料を作りましたが、実際に折ってみようと思った方のために、今回は私なりの資料の補足を三点ほど書いておきます。

 一点目。この作図のポイントとなるところはいくつかありますが、序盤で重要なのは (5) の工程で、点 C を決めるところです。

 適当に折っていると、交点が中心線より左にズレてしまったり、あるいは、ちょうど中心線のところで交わるように見えたりして、正しく「ほんの少しだけ右にズレる」ようにならないかもしれません。

 ただ、ここまでの工程で込み入っているのは (4) と (5) の2つのみで、それ以外は縦と横に折るだけなので、ある程度注意しながら折っていけば、点 C が本来あるべき位置に交わるようにできると思います。

 このときの気分は「数学で少し難しい問題を解いた結果、答えが違っていたので、それまでの計算を見直して、ちょっとした計算ミスを修正していく」というときと似たような感じだと思っています。

 実際、私自身は、この点 C が本来あるべきところに交わるように折れたとき、少し難しい問題が解けた後のスッキリした感じと似たような気分になりました。

 また、(5) までの工程がうまくいき、点 C がきちんと決まるようになったら、すぐに先に進まず、3枚、5枚...など、何枚でも構いませんが、ここまでの工程を折った紙をいくつも用意することをお勧めします。

 そうすると、

  1. 続きを折って失敗したら、ここからやり直せる(特に次に重要なポイントの工程(7)が失敗しやすい)
  2. 難しい問題を解けたときの風景」のような畑から、作物を収穫するような気分を体験できる

といった効果が期待できます。まあ、2.はともかく、1.は重要です。丁度いい具合に折れて気分がよく集中力も持続しているタイミングでたくさん折っておかないと、後で失敗したときに「あのとき、もっと折っておけばよかった」と後悔するかもしれません。

 二点目。工程を細かく分けた最大の目的は、適当なところで終わりにして後日続きができるようにするためです。実際、工程が非常に多く、最後まで一気にやろうとすると途中でくたびれて集中力がなくなってしまいます。

 そこで、例えば、ちょっと空いている時間に工程を一つか二つくらいずつ進めながら少しずつ折っていく、あるいは、以前このブログに書いた記事「「キリ」の善し悪し」のように、多少キリが悪そうなところで作業を中断しながら続きを折る意欲を持続させる、という工夫をしてみるのもいいかもしれません。

 なお、適当なところで終わりにする際には、資料にある実線・点線・点の記号を忘れずに書いておいてください。これを忘れると、後日折り紙を見たときに、わからなくなってしまいます。

 三点目。工程 (18) 以降の正17角形の頂点を決める部分は、私自身は正直なところ(非常に細かい作業になる割には)それほど満足感は得られませんでした。これは、私の折り方の精度があまりよくないことに起因しているかもしれません。

 誤差を具体的に認識できるのは、工程(18)の最後に「3」と中心を通る線で折ったときでしょう。折った際に「1」と重なるところが頂点「5」となるべき点で、ここは紙にギリギリ納まるくらいの微妙な位置のはずなのですが、実際に折ってみると「1」と重なるべき点が紙からはみ出してしまうことが私はよくありました。

 そんなことから、工程(18)の最後に「3」と中心を通る点で折り返したときに「1」と重なるところ(すなわち「5」)が紙からはみ出さなければ、作図はとりあえず「成功」と私は判断しています。

 ただ、それでも誤差はあって少しはズレてます。これが気に入らない場合は「完成する正17角形は上下対称になるはず」という別の数学的な性質を使って微調整するしかないかな、と思っています。例えば、「1」から頂点を時計回りに決めていくと同時に、「9」と「10」から反時計回りに頂点を決めていって、と考えたりしてみましたが、結局あまり要領のいい方法は思い浮かびませんでした。

 以上が資料の補足ですが、私自身は正17角形の形状にはこだわってません。 (1) から (17) までの工程で、一見すると正17角形とは何の関係もなさそうに思える直線や点が、本質的に必要な線を折るためには一つも欠かすことができないほど重要だ、ということを見る方が面白いと感じています。

 また、個人的には、実際に目で見える頂点を決める工程 (18) 以降では、それまで本質的に必要な線を得るために折った線や点は全く使わない、というところが如何にも数学っぽい雰囲気で気に入ってます。正17角形の形状にこだわっても、そこでは本質的な部分は使わないので、本質を知るためにはやっぱり数学が必要だ、という気分を体験できるかもしれません。

 さらに加えると、工程(18)が終わって、作図がとりあえず成功と判断できたときには、一見すると正17角形とは何の関係もなさそうにも見える、点 C の微妙な位置へのこだわりが懐かしくなり、数学の風景の雲海のような、雲の上の眺めを見ている気分になるかもしれません。

 ということで、資料の最後に書いたことを繰り返しますが、くれぐれも「寸分の狂いのない完璧な正17角形を折るぞ」などと気を張らずに気楽に折って、あまり人の手が加えられていない原生林を歩くような気分で、途中の過程を楽しんで頂けたら幸いです.

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コメント

後で忘れないように、工程(18)以後の、今のところのアイディアを写真とメモで作成しました。

正17角形・頂点決めのメモ

このページにある問題が解ける人は,ぜひ私にも教えてください。(私は解けていません。)

投稿: 穴田浩一 | 2011年9月 1日 (木) 20時40分

工程(18)以降の、「3」以外の頂点を決めるところは、まだアイディアが固まっていないのと準備も少し時間がかかりそうなので、そのうち載せようとは思っていますが,いつになるかは未定です。(暇な時間が出来たら、またトライしてみます)

投稿: 穴田浩一 | 2011年9月 1日 (木) 17時19分

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